国内

蓮舫氏「ひらがなもタスキも不使用」で激戦の東京選挙区を勝ち抜き4選の哲学

第26回参議院選挙に立候補し、有権者に支持を訴える蓮舫候補(時事通信フォト)

第26回参議院選挙に立候補し、有権者に支持を訴える蓮舫候補(時事通信フォト)

 選挙での立候補者といえば、マイクを片手に名前を大きく書いたタスキをかけ、のぼりをもって呼びかけて挨拶や演説する姿が恒例だ。また、立候補にあたり、名前の表記をひらがなにするなど投票用紙に記入しやすいものへ変更されることも多いが、それは投票する有権者にとっての利便性を考えてのことだ。2022年参議院議員選挙で4選した蓮舫や、今井絵理子や生稲晃子など有名人立候補者たちの名前とタスキの違いについて、ライターの小川裕夫氏がレポートする。

 * * *
 今回の参院選で2選を果たした青山繁晴候補は、2016年の初出馬時から異色な選挙戦を展開していた。一般的に選挙の立候補者は選挙カーで各地を巡り、有権者に「投票をお願いします」「ご支援をお願いいたします」と訴えかける。しかし、青山候補はそうした“お願い”をしない。筆者は2016年の初出馬時から青山候補の街頭演説を何回か取材してきたが、そこでは自身の政治信条や理念を語る。一見すると、それは辻説法のようにも感じる。

 また選挙活動にあたって、青山候補は「親からもらった名前だから、ひらがなで名前を表記しない」「名前の入ったタスキを着用しない」ことを信条にしていた。

 選挙で使用する候補者名は、原則的に戸籍に記載された氏名を使用することになっている。しかし、タレント・作家活動によって芸名・ペンネーム等の通称が広まっている場合は、例外として認められる。その場合でも、候補者が選挙管理委員会に申請して認められなければならない。また、氏名の一部をひらがな・カタカナにすることも可能で、これにも申請が必要となるが、通称使用のような厳しい審査はない。そのため、ひらがな・カタカナ表記に変えることは広く認められている。

 こうしたルールがあるため、立候補者の多くは選挙ポスターやタスキに漢字とひらがなを混ぜた届け出名を使用する。今回の参院選を例にすると、青山候補と同じ自民党から出馬した生稲晃子候補は、「いくいな晃子」と苗字をひらがなにした。仮に青山候補がひらがなを用いた表記にするなら「青山しげはる」とするところだが、青山候補は宣言した通りに看板やチラシに「青山繁晴」とフル漢字の表記を使った。

 一方、もうひとつのタスキの非着用は、初出馬の時点で方針を変更している。青山候補は、その理由を「街頭演説をしていたら、支援者から『青山さんは誰の応援で演説しているんですか?』と声をかけられた。自分が出馬していることに気づいてもらえなかった。タスキ着用していないと、選挙に出ていることに気づいてもらえないから」と明かしている。

名前はフル漢字表記か、ひらがな交じりか

 青山候補の話を聞くと、選挙活動には頑なこだわりがあることを感じさせる。しかし、名前をひらがなにしないという信条は、青山候補だけが貫いているものではない。街頭演説で、いちいち「名前のすべて漢字で表記します」と触れ回る候補者がいないだけだ。

 例えば、同じ自民党から全国比例で出馬した今井絵理子候補もチラシやタスキに「今井絵理子」とフル漢字で表記している。今井候補は青山候補と同じ2016年の参院選に初出馬し、そのときからフル漢字の表記だ。

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン