山本太郎一覧

【山本太郎】に関するニュースを集めたページです。

東京選挙区で自民党から出馬予定の元おニャン子クラブの生稲晃子氏(時事通信フォト)
参院選東京選挙区自民候補 生稲晃子氏おニャン子旋風の一方で朝日健太郎氏は苦戦か
 参院選挙(6月22日公示、7月10日投開票見込み)に向けて各候補が動き出した。近年にない大激戦が予想される東京選挙区(定数6)の“台風の目”になっているのが自民党から出馬する元おニャン子クラブの生稲晃子氏だ。 出身地の東京・小金井市で開いた「励ます会」(6月3日)にはおニャン子時代のメンバーだった演歌歌手・城之内早苗ら強力な“応援団”の存在を見せつけ、連日、都内で街頭に立つ。 さる6月5日の午前9時半には、池袋駅の西口に立った。「女性が働きやすい環境づくり」を公約に掲げる彼女が演説で切りだしたのは意外にも拉致問題だった。 芸能界にいた頃、北朝鮮を訪問した際にパスポートを取り上げられた時の不安に触れながら、「家を出ていった子供が夕方になっても帰ってこない、どこに行ったか分からない。それが北朝鮮の拉致だったら、考えただけでも恐ろしい。それは許されるものではありません」 と訴えた。 実は、この日は自民党青年局が「拉致問題を絶対に風化させない」全国一斉街頭演説を展開し、生稲氏も参加したのだ。 日曜の朝、まだ大型店舗が開いていない時間帯とあって周囲には人はまばら。生稲氏は演説が終わると駆け寄ってきた2~3人と握手を交わして急いで車に乗り込んだ。池袋の後、八王子、武蔵小金井、府中、立川など6か所で街頭演説するハードスケジュールだった。自民党都連幹部はこう太鼓判を押す。「生稲は演説が聞きやすいね。今井絵理子よりうまい。政府の働き方改革実現会議の有識者委員を務めただけあって、考え方もしっかりしている。ひょっとすると前回参院選で丸川珠代が獲得した114万票を超えるのではないか」 一方、生稲人気が高まるほど、苦戦を強いられるのがもう一人の自民党候補で元ビーチバレー選手の朝日健太郎氏だ。前々回の2016年参院選で初当選し、2期目に挑む。 自民党内では、生稲氏を最大派閥の安倍派が応援し、朝日氏を二階派や石破派、菅グループが応援している。朝日氏の選対関係者は危機感いっぱいだ。「生稲さんに票を食われて非常に厳しい情勢です。『自民党の朝日をよろしく』と訴えてはいるが、なにせ自民党支持者には朝日新聞嫌いが多いからどこまで響いているのか掴みにくい」 というボヤキまで聞かれる。カギを握る小池都知事の動き「女の戦い」も注目点だ。 東京選挙区は生稲氏をはじめ、前々回112万票でトップ当選した立憲民主党の蓮舫氏、公明党現職の竹谷とし子氏、さらに日本維新の会の「美魔女」こと海老沢由紀氏(大阪市議)、都民ファーストの会からは小池百合子・東京都知事の元秘書で都議の荒木千陽氏ら有力な女性候補がひしめく。そこに共産党現職の山添拓氏、朝日氏がからみ、さらに、れいわ新選組代表の山本太郎氏、『五体不満足』の作家・乙武洋匡氏らの有力候補が出馬表明して大乱戦になっている。野上氏は東京選挙区の情勢をこう分析する。「生稲氏はタレント時代の知名度に加えて今回引退する安倍派の参院議員の支持組織も引き継いでおり、トップ当選の勢いです。それに続いて公明の竹谷氏、立憲の蓮舫氏、共産の山添氏までが当選圏内。残り2議席をめぐって自民党の朝日氏、れいわの山本氏、都民ファーストの荒木氏、維新の海老沢氏の4人が横一線に並び、サバイバルゲームの様相です」 カギを握るのは小池都知事の動きだという。「女性議員を増やすのは時代の要請で、有権者もそれを感じている。キーマンは女性政治家の代表ともいえる小池都知事が前面に出て票を掘り起こせば荒木氏を当選圏内に押し上げ、朝日氏や山本氏が涙をのむことになる」(政治ジャーナリスト・野上忠興氏)※週刊ポスト2022年6月24日号【訂正】各選挙区予測の図において、政治ジャーナリスト・野上忠興氏は富山選挙区について自民党と予測していましたが、誤って立憲民主党と掲載していたため、訂正しました。
2022.06.10 07:00
週刊ポスト
高田馬場駅前で街頭演説中の乙武洋匡さん。乙武さんは戸山高校・早稲田大学卒なのでと高田馬場はゆかりの地(撮影:小川裕夫)
変わる街頭演説と下がる政治参加のハードル 質問のため挙手する男子高校生も
 もうすぐ選挙シーズンが本格化する。それに伴い、主要駅前など人が集まるところでは、立候補予定の人たちが街頭演説を活発化させている。街頭演説というと、壇上から一方的に話される言葉を聞くイメージが強いかもしれないが、最近では聴衆との対話を増やす演説が増えるなど変わりつつある。ライターの小川裕夫氏が、街頭演説スタイルだけでなく、有権者にも小さいながらも変化の兆しを見た、高田馬場駅前の該当演説についてレポートする。 * * * 今夏に実施される参議院議員選挙は、事前から盛り上がりに欠けることが予測されていた。特に、定数6の東京選挙区は自民党・立憲民主党の現職議員が引退するものの、構図は変わらずに無風との観測が強まっていた。 しかし、れいわ新選組の山本太郎代表が衆議院議員を辞職して参議院議員に鞍替え出馬を表明。そのほかにも、『五体不満足』などの著者として知られるベストセラー作家の乙武洋匡さんも出馬を表明。これにより、東京選挙区は一気に激戦区と化した。 東京選挙区は有権者数が多い。浮動票を一票でも多く獲得するために、選挙戦では多くの立候補者が街頭に立つ。街頭での活動は、一般的に立候補者たちが自身の政見を述べる場だった。 しかし、ここ数年は従来の街頭演説に変化が見られる。街頭演説のうち、政治家たちが自身の政見を述べるのは長くても30分。その後は、集まったギャラリーにマイクを渡して意見や質問を受け付ける。質問や意見を受け付ける時間はそのときどきで異なるが、1時間以上に及ぶこともある。なかでも山本太郎代表の街頭演説は、長時間におよぶ傾向が強い。 本来、政治家は「自身の意見を言う」ことが仕事ではない。「国民の意見を聞く」ことが本務とされる。岸田文雄首相が「聞く力」を強調したり、公明党が「小さな声を、聴く力」をスローガンに掲げたりしていることは、政治の基本中の基本に過ぎない。 それにも関わらず、昨今は聞く力が強調されるトレンドになっていた。そうした背景が生まれたのは、それまで意見を言う政治家がもてはやされていたからだろう。 しかし、確実に政治の世界にも変化の波が押し寄せている。なぜなら、言うだけの選挙演説から聞くスタイルを採用する候補者・政治家たちが少しずつ増えている。これは、言うだけの政治が飽きられつつあるという予兆かもしれない。 ギャラリーから質問や意見を取り入れる選挙演説のスタイルは今後も増えると思われるが、その一方で一般有権者たちが立候補者や現職の政治家に対して筋道を立てて意見を言うことや質問はできるのか?といえば、残念ながら多くの有権者は質問できない。というか、質問をしない。「どうやったらモテるのか」聞きたい高校生 政治に関心を寄せる人は決して多くない。有権者の約半数は投票にも行かない。その背景には、誰がやっても同じという諦観がある。また、関心はあっても政治は難しいという先入観から投票しない人もいる。だから、政治に積極的に関わろうとしない。 街頭で政治家に意見・質問できるチャンスがあるといっても、間違ったことを言ってしまって恥をかきたくない。そんな気持ちもあるだろう。これらの理由で、多くの人たちはせっかくの質問チャンスに尻込みしてしまう。 5月27日、乙武洋匡さんが東京都新宿区の高田馬場駅前に姿を現した。高田馬場駅は周辺に大学・専門学校・高校などが多く所在し、学生が行き交う。 乙武さんは16時から街頭演説を始めた。ちょうど学生たちが授業を終えて帰る時間帯と重なっていたこともあり、たくさんの学生たちが乙武さんを見つけて立ち止まって話を聞いていた。 取材中の私の隣にも、学校帰りの男子高校生3人組がいた。彼らは「有名人を生で見たのは、(YouTuberの)ヒカル以来だ」と興奮気味だった。 乙武さんの演説が終わり、ギャラリーからの質問タイムへと移った。たくさん集まったギャラリーから数人が挙手し、乙武さんが順番に指名していく。 その様子を見ていた男子高校生3人組は、「せっかくだから、自分たちも何か質問しよう」と話し合いを始めた。しかし、なかなか政治的な質問が思い浮かばないようだった。それでも、男子高校生3人組は乙武さんについては週刊誌やネットで仕入れたレベルの情報は持ち合わせていたようだ。 傍で彼らの話に耳をそばだてていると、乙武さんが、過去に複数女性との不倫スキャンダルを報じられたことを知っている様子だった。一人の女性と交際するのも大変なのに一度に何人もすごい! とでも思ったのだろうか、「『どうやったら、女性にモテるのか?』という質問をする!」と一人が言い出した。 そこに別の子が、「モテは個人によるところが大きいから、答えられないと思う。だから、ほかの質問にしよう」と提案。そこで、もう一人が「好きなAVを聞くのはふざけ過ぎかな?」と代案を示した。これもネット番組で乙武さんがセクシー女優と共演していたり、そういう作品を見てきたとSNSで率直に語っているのを知っていたのかもしれない。だが、ほかの2人からは、「それは、さすがにふざけすぎだろ」と強い反対が起きた。 高校生が政治家を目の当たりにし、政治に興味を示している。さらに、勇気を出して質問しようとしている。一部始終を横で聞いていた私は、物怖じしないで質問してほしいなと思った。そして「今、国会ではAV被害を救済する新法を議論しているんだよ。だから、AV新法に関連づけて質問をしたらいいんじゃないかな? それに、高校生に対して『くだらない質問するな!』って怒るようなことはないと思うよ」と男子校生3人組の背中を押した。 男子高校生3人組は「AV新法ってなんですか?」と興味津々だったので、私は簡単に説明した。説明を聞き終わった男子校生3人組は盛り上がり、「好きな女優を聞いてみよっか?」と再び相談を始めた。そして、一人が挙手。乙武さんに指名されてマイクを握った。しかし、男子高校生は違う内容で質問をした。 その後、質問をした高校生から「せっかく教えてくださったのに、質問はできませんでした。すいません」と謝ってきた。公衆の面前だから、好奇心よりも恥ずかしさが勝ってしまったのだろう。それは仕方がない。むしろ、男子高校生たちが勇気を持って選挙の立候補者に質問をしただけでも十分な成果だったように感じた。そして、それは高校生にとっても貴重な体験になったはずだ。 思い描いていた質問はできなかったが、3人の表情からは満足したように見えた。帰り際、3人組の一人が「選挙に興味が湧きました。何か関われるようなことはありますか?」と私に聞いてきた。 私は「大変だけど、ボランティアで選挙を手伝ってみるのがいいんじゃないかな」と教えた。男子高校生は「そんな関わり方があるんですね。ありがとうございます」と頭を下げて駅へと走っていった。 2016年から18歳でも選挙に参加できるようになり、今年度からは成年年齢が18歳へと引き下げられた。成年に達すれば、高校生でも社会の荒波に揉まれることになる。高校生にとって、政治は決して遠い世界の話ではなくなっている。 だから私は高校生でも政治や選挙には積極的に関わってほしいと思っている。「くだらない質問したら、怒られるかな?」と案じることはない。私たちは、政治と無関係で生きることはできないのだから、政治家にAVの質問をぶつけたっていい。 最初はくだらない質問になってしまうかもしれないが、その経験によって高校生や大学生の興味が広がっていくことだってある。どんなことでも、疑問や興味があるなら政治家への質問を我慢する必要はない。 衆院選と異なり、参院選は必ず3年に一度ある。投開票日がおおよそ確定している参議院選挙では、立候補者予定者が公示日前から盛んに街頭に出て演説をしている。街頭演説は、政治家から話を聞ける絶好のチャンスでもある。 最初は緊張するかもしれない。質問や意見をうまく言葉にできないだろう。それでも質問をしてみれば、政治の世界がこれまでとは異なって見えるに違いない。
2022.06.05 07:00
NEWSポストセブン
石原伸晃氏と岸田首相のドライマティーニの仲とは
総選挙・東京8区「伸晃さんは山本太郎のほうが戦いやすかった」との声も
 いよいよ4年ぶりの衆院選挙(10月31日投開票)だ。この間、政治家の不祥事や失言が相次ぎ、消費税が増税され、コロナ失政で国民は苦しめられた。そうした政治に有権者の審判が下される。 本誌・週刊ポストは、選挙情勢分析に定評がある政治ジャーナリスト・野上忠興氏の協力を得て、解散直前の10月12日時点の野上氏の情勢分析から、各小選挙区と比例代表を合わせた全465議席の当落、各党獲得議席をシミュレーションした(別掲表参照)。 では、国民を怒らせたあの不祥事議員、失言議員たちはどんな選挙戦を強いられているのか。東日本の注目選挙区の動向を見ていこう。北海道ブロック 北海道は前回総選挙で自民・公明が12選挙区のうち7選挙区で勝利したが、今回は逆に立憲民主が8選挙区で優勢。鶏卵汚職で議員辞職した吉川貴盛・元農相の地元2区も有権者の批判は依然強く、立憲が優位。 注目は11区。自民党は安倍氏の盟友だった大物政治家、中川昭一・元財務相の未亡人で、“不倫路チュー”を批判されて前回落選した中川郁子氏を再び擁立した。しかし、「地元ではほとぼりはさめていない」(元中川後援者)と、立憲の現職に大きく水をあけられている。北関東ブロック 群馬1区では自民現職同士が公認争い。細田派の尾身朝子氏に対抗し、中曽根康弘・元首相の孫で二階派の中曽根康隆氏(比例)が公認を申請して大混乱。康隆氏は前回、名簿順位30位で当選したが、今回は群馬1区の公認が取れずに比例に回れば落選の危機。南関東ブロック 不祥事や失言議員が苦戦に陥っている。 コロナの緊急事態宣言下に銀座のクラブ通いが発覚して自民党離党に追い込まれた麻生氏の側近、松本純・元防災相(神奈川1区)は当選が厳しい情勢だ。神奈川4区の山本朋広氏も防衛副大臣時代、防衛省近くのホテルに国費を使って146回も宿泊を重ねていたことが批判を浴び、大苦戦中だ。東京ブロック 自民党議員のスキャンダルが相次いだ東京も自民苦戦が目立つ。15区ではカジノ汚職で一審有罪判決を受けた秋元司・元内閣府副大臣が「無罪」を主張して出馬表明したが、自民党の対立候補がギリギリまで決まらず、無所属の柿沢未途氏がリードしている。 注目は8区と18区。石原伸晃・元幹事長の8区ではれいわ新選組代表・山本太郎氏が突然出馬表明し野党が大混乱に陥ったが、最終的に山本氏が出馬を撤回。自民党都連幹部からは「伸晃さんは山本のほうが戦いやすかった。立憲新人の女性候補に一本化されたら落選の危機だ」との声も。 一方、立憲の菅直人・元首相の18区には旧民主党から自民党に入党した長島昭久氏が出馬。長島氏は菅首相の下で防衛政務官を務めたが、元上司に対する“刺客候補”となって挑む。情勢は互角で野党重鎮の落選の可能性も。【表の見方】 小選挙区は別掲表のシミュレーションをもとに集計。印で差がつかなかった選挙区は議席を分割配分した。比例区は各ブロックの情勢分析から試算。現有議席に欠員4。衆院議長、副議長は自民、立憲の現有議席にカウント。 289選挙区の当落予測は10月12日時点の情勢をもとに作成。原則として、公職選挙法に基づく政党要件を満たす政党が公表する各選挙区の支部長、公認予定・内定者、また無所属での立候補の可能性がある者を掲載した。現段階で党の支部長が決まっていないが、候補を立てれば当選の可能性がある場合、(未定)として枠を設けた。「現」は前回衆院選で同じ小選挙区で当選した議員、は比例当選の現職議員。本誌取材により、当選可能性が極めて低いとされる公認予定・内定者、無所属、諸派は掲載を見合わせた。 予想は当選する可能性が高い順に○→△→▲→無印で記した。/表中敬称略。 政党名は、自=自由民主党、公明=公明党、立憲=立憲民主党、共産=日本共産党、維新=日本維新の会、国民=国民民主党、社民=社会民主党。自民党現職議員の派閥は細=細田派、麻=麻生派、竹=竹下派、二=二階派、岸=岸田派、石=石原派、破=石破派、無=無派閥。※週刊ポスト2021年10月29日号
2021.10.17 16:00
週刊ポスト
山本太郎が出馬表明「東京8区」 なぜか自民が勝ち続けている謎
山本太郎が出馬表明「東京8区」 なぜか自民が勝ち続けている謎
 れいわ新選組代表で元参院議員の山本太郎氏が、10月8日夜の街頭演説で、次期衆院選は「東京8区」から出馬することを表明。波紋を広げている。同区で議席を持つ現職は自民党の石原伸晃元幹事長で、野党側は今回、立憲民主党の新人・吉田晴美氏を統一候補とする調整が進んでいた。そこに山本氏が「自分こそ野党統一候補」と乗り出してきた格好だ。 この東京8区は小選挙区制導入以降、石原氏が8回連続で当選してきたことから“石原王国”とも呼ばれるが、永田町関係者からは「それほど固い地盤があるとも思えないのに、自民党が勝ち続けられる“謎の選挙区”のひとつ」との声もある。「杉並区のほとんどのエリアをカバーする東京8区だが、もともと革新リベラル層の多い地域とされ、中選挙区時代の杉並区を含む旧東京4区では、社会党や共産党の候補者がトップ当選したこともある。にもかかわらず、小選挙区制が導入されて以降の東京8区で石原氏が勝ち続けられたのは、野党側の戦略の問題という要素が大きい」(大手紙政治部記者) 2009年の総選挙では、自民党が歴史的な大惨敗を喫し、民主党政権が誕生した。この時は東京にある25選挙区のうち、自民党は4選挙区でしか議席を得られなかったが、そのうちのひとつが石原氏の東京8区だった。結果だけを見ると、逆風に負けない強い保守地盤があるように思えるが、自民党関係者は「そうではない」と語る。「この年の総選挙ではとくに都市部で民主党の候補が地滑り的に勝利を収める“ドミノ現象”が起きた。そうしたなか、東京で自民党が勝てた選挙区のほとんどは、相手が民主党の候補ではなく、選挙協力を結んでいた社民党や国民新党の候補者だったところです。東京8区もそうで、石原氏の相手は社民党の保坂展人氏(現・世田谷区長)だった。民主党の候補が相手だったら結果は分からなかった。野党側の戦略との巡り合わせで、ずっと議席を守ってきたとみることができるわけです」 前回2017年の衆院選でも、東京8区では立憲民主党、希望の党、共産党、元民主党副代表の無所属候補など野党候補が乱立し、石原氏は得票率約39%ながら逃げ切って当選を果たした。立民と希望の候補者の得票数を合わせた数字は、石原氏のそれを大きく上回っていたことからも、決して「盤石の地盤」ではないことがよく分かる。「それだけに野党側も候補者調整を進めたいところだったが、山本氏の出馬表明によって事態は混沌としてきた。土壇場での表明に立民関係者からも反発の声があがっている。山本氏自身、2012年の総選挙で東京8区から立候補した経験があるが、民主党候補との間で反自民票が割れ、石原氏に惨敗を喫しているから、野党がバラバラに候補を立てても勝てないことは分かっているはず。選挙区の勝利よりも、出馬によってれいわ新選組の東京での比例票を掘り起こす狙いがあるのかもしれない」(前出・大手紙政治部記者) 野党の足並みがバラバラなことで、東京8区はまたも自民党が勝利を収めることになるのか。
2021.10.10 07:00
NEWSポストセブン
ワクチンはどこのメーカーを打つべきか(時事通信フォト)
コロナ感染したれいわ・木村英子参院議員への誹謗中傷に見る「特有の嫌な感じ」
 ネットにおける誹謗中傷が社会問題とされるようになってから時間は経っているが、依然、折に触れて棘は表出する。コラムニストのオバタカズユキ氏が考察した。 * * * 新規感染者数が減ってきたとはいえ、まだまだ新型コロナウイルスに感染する可能性は誰にでもある。そして、いつどこでどのように感染したのか不明である場合がとても多い。だから、感染者に対してその責任を問うたり、批判をしたりといった行為はナンセンスで、あってはならない、との社会的コンセンサスがとっくに取れているはずである。 なのに、だ。2月24日の夕方から夜にかけて「木村英子参院議員がコロナ感染」というニュースが流れると、ネット上に大量の批判的書き込みが湧いてきた。誹謗中傷の声が飛び交ったのだ。 木村議員は、山本太郎代表が率いるれいわ新選組公認で、2019年7月の参議院議員選挙で比例区当選した人物。幼少期に事故で頸椎を損傷、脳性麻痺と診断された重度の身体障害者でもある。電動車椅子を操作する右手以外、体はほとんど動かず、政治活動も常に介護者と共に行っている。 そんな木村議員のコロナ感染の事実を最初に公にしたのは、彼女の公式ツイッターアカウントだった。24日の午後6時6分に、〈【ご報告】昨日、医療機関においてPCR検査の結果、木村英子が新型コロナウイルス陽性であることが判明しました。本日、保健当局からのヒアリング等を受け、感染経路は調査中です。現在、自宅にて療養中でございます。ご心配おかけいたします。(木村英子事務所)〉とツイートした。 このツイートに対しては、原稿執筆現在、816件のリプライ、330件の引用ツイートが寄せられている。そのほとんどは「お大事にしてください」など木村議員にお見舞いの言葉をかけるものや、入院せず自宅療養ではまずいのではないかと心配する声である。批判的な書き込みはひとつもない。直接、本人に石を投げるような者は見当たらない。 誹謗中傷はもっぱらヤフーニュースのコメント欄や、ニュースを見てそれに反応したツイートなどでなされていた。本人を前にもの申すわけではなく、もっとお手軽に安全地帯から発した脊髄反射的な批判ばかり。なので、いわゆる炎上というのとは少し違うのだが、それらの中身がなんともひどいのである。木村議員の支持者だったら、怒り心頭に発するところだ。具体的には、こんな誹謗中傷がなされていた。〈まず厳しい意見ですが…… 国会に出てないよね? 辞職すべきでは? 出てないのに金貰うって人としてどーなんだ? それで日本は成り立つのか? 税金捨てるようなもんだろ この今苦しい人もいるなか コロナ怖いからって国会にも出席してなかったのにコロナ感染 そして仕事してないのに給料貰うって どーなんだ?生活保護だけで良いでしょ〉〈昨年以降登院もせず歳費もらっても仕事できないのでは何のための国会議員なのか? 社会的弱者の代弁者は社会的弱者でないといけないことはなく行動力のある者がすべきで理想や綺麗事では世の中が回っていかない〉〈国会議員としての責務を果たせないことが最初から分かっているのだから、少なくとも国政議員に対しては被選挙権があってよいのでしょうか。「戦災、災害などにあたって内閣総理大臣が招集を宣言した際には、ただちに国会に参集する義務を負う」国会議員が障害を理由に登院できません、では通用しません。災害時に真っ先に見捨てられるのは、歩けなくなった人です。差別の意図ではありませんが、辞職されるべきではありませんか?〉 典型的な例を3つあげてみたが、どの書き込みにも、大きな事実誤認がある。それは、コロナ禍で木村議員が国会議員として仕事をしていない、という前提だ。実際はそんなことないのである。彼女のツイッター公式アカウントを遡ったり、オフィシャルサイトの「活動レポート」を読んでみたりすればすぐにわかるように、木村議員はむしろ活発な議員活動を行っている。元参議院議員でれいわ新選組に所属している、くしぶち万里氏はこうツイートした。〈根拠のない風評コメントが一部あるようですが、当選以来、15回の質問で具体的な変化をこんなにもスピード感もって実現された議員はいるでしょうか。心ない言葉の暴力はやめていただきたい〉 バリアフリー社会の実現に向けて、ネット発信しているだけでなく、国会議員の仕事もしっかりこなしているのである。にもかかわらず、仕事をしていないことにされてしまっているのは、木村議員と一緒にれいわ新選組から参議院議員になった舩後靖彦議員が、去年の3月にコロナ感染を防ぐために国会審議を欠席したというニュースのせいだろう。その負のイメージが一部の人たちの頭の中に植えつけられているようなのだ。 舩後議員はALS(筋萎縮性側索硬化症)当事者で、もしコロナに感染したら命にかかわるからいったん欠席したのだが(後にまた出席した)、その際、日本維新の会の音喜多駿参議院議員から、ツイッターで以下の批判を受け、ずいぶん話題になった。〈れいわの国会議員お二人は、本日も本会議を欠席。致し方のない事情だと存じますが、その分の歳費は返納されないと、国民の納得を得るのは厳しい気も。またこれを契機に、国会も前向きにリモート出席や遠隔採決を検討すべきですね〉 前記した誹謗中傷の事例でも「歳費」について触れられていたが、その源流はおそらく音喜多議員のツイートだ。たとえ、国会を欠席したとしても、それと歳費との関係は法的にないし、未知の疫病の感染拡大時に舩後議員と木村議員が緊急避難でそうしたのは、国民的にも納得の範囲内だと思う。それに、障害者ではない音喜多議員だって、いつどこでどうコロナに感染し、国会を欠席せざるをえなくなるかわからない。何を狭量なことを言う人だろうと感じる。 けれども、こうした「弱者叩き」は、衆目を集め、一部の人たちの攻撃性を発動させるものだ。ネットでの活動に長けている音喜多議員は、ライバルを蹴落とすため意図的に、障害者である舩後議員と木村議員を叩いたのではないかと私は思っている。 今回の木村議員に対する誹謗中傷には、特有の嫌な感じがある。弱者という正義の欺瞞を暴く自分こそ正しい、といった思い込みと、そこに潜む攻撃性だ。 それは、たとえば生活保護の不正受給問題を執拗に取りざたする連中の心性に近い。弱者だからといって優遇されるのはおかしい、我々はもっと厳しい現実社会に生きているのだ、というようなことばかりを強調する歪んだリアリズム。結局のところ、弱者切り捨てを容認する優勝劣敗社会の支持者たちなのだ。要は冷酷なのである。 報道によれば、コロナ感染を発症した木村議員は、いったん上がった熱も下がり、症状は安定しているとのこと。しばらくの安静の後、議員活動を再開したら、こんな冷たい世の中ではあるけれど、引き続き社会的弱者の代弁者として根気強く働いていただきたい。
2021.02.28 16:00
NEWSポストセブン
山本太郎氏は五輪開催についてどう考える?(時事通信フォト)
山本太郎氏「コロナに打ち克った証としての五輪」は寝言でしかない
 新型コロナウイルスの感染拡大によって、2021年に開催が延期となった東京五輪。しかし、そもそも“開催すべきかどうか”という点で、世間の声も分かれている。「五輪中止」を主張する、れいわ新選組代表の山本太郎氏の見解を聞いた。 * * * 昨夏の東京都知事選出馬でも五輪中止を公約に掲げましたが、この冬のコロナ第3波でその思いはより強まりました。 これだけ感染が拡大している中で強行開催するのなら「具体的な感染予防策」「医療体制の抜本的な増強」など対策をひとつひとつ明示して国民を納得させるという作業が必要でした。 しかし政府はまるで無策。すでに医療崩壊が迫っている都市もある。この状況で「コロナに打ち克った証として開催する」という主張は寝言でしかありません。 確かに日本は諸外国に比べて感染者数も死亡者数も少ないですよ。しかしその理由を明確に説明できる人がいますか? 単にラッキーだっただけですが、その奇跡的に与えられた猶予さえ活かさなかった。「ワクチンが普及するから大丈夫」という主張も情けないですね。ただ製薬会社の成果に身を委ねるだけ。 コロナで職を失い、困窮している人がたくさんいる。なのに五輪に3000億円近くの追加費用を投入することがポンと決まってしまう。庶民にカネを渡すのは躊躇するが、何かしら自分たちに環流できそうなカネなら大盤振る舞い。 そもそも今回の五輪は「震災復興のため」としてスタートしましたが、そんな理念はただの建前です。誘致の際に一番急がなければならなかった原発事故の収束や被災者支援は蔑ろにされ、いまだ復興は進んでいない。そしてコロナ対策でも同じことが起こっている。誰のための五輪なのか理解に苦しみます。即刻中止すべきです。※週刊ポスト2021年1月15・22日号
2021.01.05 07:00
週刊ポスト
都知事選、ある泡沫候補の政見放送 笑ってはいけなかった箇所
都知事選、ある泡沫候補の政見放送 笑ってはいけなかった箇所
 ネット世論なるものが認知されるにしたがって、選挙の性質も様変わりしている。コラムニストのオバタカズユキ氏が都知事選を振り返った。 * * * もう1週間が経つのか。あっけなく終わった東京都知事選だった。選挙期間中は緊急事態宣言こそ解除されていたが、まだまだ自粛ムードでピリピリしているコロナ禍の最中。後半、それまで落ち着いていた東京の新規感染者数がまたぞろ急増したことで、「もしや批判票が動くか」と数ミリだけ思った。けれどもそんな私の期待など何処吹く風で、小池百合子が得票数366万票、得票率59.70%で圧勝した。毎評判通りだった。 小池知事のコロナ対応は決して誉められたものではなかったと思うのだが、ヒトは非常時の変化を嫌うということだろうか。対抗馬としてロクな候補がいなかったという意見もある。たしかに2位となった宇都宮健児の左翼ぶりは古臭すぎてもううんざりと思ったし、3位の山本太郎はいまだに色物として見られていた気配がある。いずれにせよ、一強他弱すぎて盛り上がりようがなかったことは確かである。 ただひとつ、この選挙で私が気になった候補者がいる。トランスヒューマニスト党の後藤輝樹(ごとうてるき)という37歳の候補だ。ご記憶に残っているだろうか。 政見放送での紹介は、「皇歴2642年12月8日降臨爆誕、9連続落選、輝樹塾塾長、輝樹教教祖、カリスマ、革命家、愛国者、救世主、神様、変人などなど」というものだったが、都知事選の泡沫候補の中によくいる完全に頭のネジが飛んじゃっている人、では、たぶんない。ネットでけっこう話題になったのは、そのNHKの政見放送の内容ではあるものの、話が支離滅裂で、電波が飛びまくりとか、そういう類のものではない。 以下、政見放送をちょっと再現してみる。 まず後藤は、満面の笑みで視聴者に向け両手を振ったかと思うと、黒いセーターを脱ぎながら、〈世間がなんぼのもんじゃい。常識がなんぼのもんじゃい〉と喋り始め、次に「ちんこ主義」と胸に書かれた白Tシャツを脱ぎつつ、〈NHKがなんぼのもんじゃーいー!〉と言い放った。 そしてズボンを脱ぎながら、〈国家権力~、国家権力~、国家権力クソ食らえ~〉と歌い、こんどは紙おむつ一丁の姿で机の上に立ちあがり、〈生レバー、食べるよ~ぅ、国家権力クソ食らえ〉と後ろを向いて紙おむつのおしりを突き出すと、ちょうと肛門があるあたりの丸い大きなシミを見せた。かなりリアルなお漏らしうんこのような茶色いシミだった。 なんだ、これ……。夜中のNHKで初めて彼の存在を知った私は、当初、これを自分の中でどう位置づけていいかわからず、戸惑った。 観ているこちらを笑わせにかかっているのはわかるのだが、クスッともプッとも来るわけじゃない。かといって、前述したように電波系ではなさそうで、ヤバい感じもない。話の内容はいちおう筋が通っているのだが……どこか不快だ。 後藤候補曰く、〈私が今回の都知事選に立候補した理由は、3年前のR1グランプリ、アキラ100%さんの優勝がきっかけです。4年前の都知事選、私の政見放送、「ちんちん」と発言したことで放送禁止になってしまいました〉と。〈服を着ていた私が禁止で、ふるちん全裸のアキラ100%が地上波で放送、おとがめなし〉なのは理不尽にすぎるのでは、と。 ついには、机の下で紙おむつまで脱いでしまい、こうも言っていた。〈私の政見放送は「きんたま」すら放送禁止用語にされました。なのにNHKさん、玉袋筋太郎などという世にも奇妙な名前のタレントにレギュラー番組を与え、NHKで玉袋を露出させています。ビートたけしの玉袋は放送したくせに、後藤輝樹の玉袋は放送禁止。それから、まんぺこー、も放送禁止になりました。(中略)私が作った造語です。なのにNHKさん、『マンピーのG☆SPOT』などという明らかにいかがわしいタイトルの曲をジャニーズ事務所の二流とも三流ともつかないタレントにNHKで歌わせています。桑田佳祐のマンピーは放送したくせに、後藤輝樹のまんぺこは放送禁止。こんな不公平なことがあっていいのでしょうか〉 4年前の2016年に立候補した際の都知事選の政見放送をチェックしてみると、たしかに無音削除だらけだった。音が消された部分は、ほぼすべて男性器と女性器のさまざまな俗称。お前は下ネタ好きの小学生か!とつっこみたくなるほど繰り返し連呼し、それらがいちいちカットされている。ぜんぶで80カ所以上あったという。 なぜ、そんなに性器を連呼したのか。それについては、白Tシャツにあった「ちんこ主義」に基づくもののようだが、さほど深い話には思えないので説明は割愛する。ただ、今年の政見放送の後藤候補はいたって真面目に、こんなふうにも言う。〈実を言いますと、私は下ネタは嫌いです。家族と見ていて気まずい思いをしたことを、私も何度もあります。しかし、これは政見放送です。ふざけてやっているわけではございません。命をかけて真剣にやっております。日本社会に漂う閉塞感、無関心、無責任。ほんの少しでも政治や選挙に興味を持ってもらいたい。なので、あえて道化を演じています〉 やっていることは今回だって放送禁止スレスレ。けれども、根っこは意外に真面目だからということだろうか。選挙期間中、ネット上では基本好意的に話題の人とされていて、開票結果でも全22名中の8位、得票数は約2万2千票だった。あのNHKをぶっこわせの立花孝志候補の半分近くの票を獲得。『週刊実話』ではあるが、〈今後につながる出馬だった〉と評価するマスコミまであった。でも、そうやって好意的に見るのって、どうなの? ちょっとおかしくないか? 後藤輝樹のオフィシャルサイトを見ると、その政策提言や思想は極右と重なるようなところあるのだが、それは横に置く。純粋に、上記した今回の政見放送のみでの評価なのだが、私の感覚では、これは問題大ありだと思う。なぜ炎上しなかったのか、炎上して当然ではないだろうか。 問題は何か。それは紙おむつである。加えて、お漏らしうんこ状のシミをつけたことである。なにが言いたくてそんなことをしたのかは不明なのだが、ただ単純にウケを狙ったのだろう。その浅はかさが、実に残念だ。 なぜって、どうして想像できなかったのだろう。大人の紙おむつっていうのは、仕方なくするものだ。人によっては、自分の尊厳を大いに傷つけられながら、しかし、病気や障害などでそうするしかないので紙おむつをはく。 要介護の高齢者とてそうだ。認知症の人でも、紙おむつに抵抗を覚える人は多い。やはり尊厳に関わるからだ。そこに「お漏らし」しても、ケアスタッフに隠してしまう人も少なくないと聞く。他の誰かに下の世話を喜んでしてもらう人などいないからだ。そうなってしまった自分というものは、なかなか受け入れがたいのだ。 当事者の家族だって複雑な気持ちである。高齢だから仕方ない、と簡単に割り切れるものではない。語弊のある言い方かもしれないが、紙おむつを使うには、壊れていく親を直視する必要がある。自分を育ててくれた親という像を、別のものに描き変える必要がある。それは悲しく、辛い経験だ。 政見放送を見た人の中には、当事者もその家族も大勢いたはずである。後藤候補はほんの少しでも、そういう目線のあることを想像しただろうか。していないから笑いネタにできたのだろう。若いから仕方ないか。否、その程度の想像力のない人は、泡沫候補だろうが政治家を志してはいけない。 公職選挙法には、「NHKおよび基幹放送事業者はその政見をそのまま放送しなければならない」という決まりがある。また、「他人若しくは他の政党その他の政治団体の名誉を傷つけ若しくは善良な風俗を害し又は特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をする等いやしくも政見放送としての品位を損なう言動をしてはならない」との制限もある。 紙おむつもシミも、法的制限にはひっかからないだろう。でも、ダメなのだ。どうしても裸になりたかったのなら、それこそアキラ100%のように、お盆でも持ってふるちんで自分を表現すれば良かったのである。
2020.07.12 07:00
NEWSポストセブン
都知事選 売名目的で出馬する「泡沫候補」が増えた背景
都知事選 売名目的で出馬する「泡沫候補」が増えた背景
 7月5日投開票の東京都知事選は、小池百合子氏(67)の“圧勝再選ムード”でつまらない──そう決めつけていないだろうか。実は、新聞やテレビが「主要5候補」としか報じない裏では、史上最多となる22人が名乗りをあげている。その“あまりに個性的な選挙活動”に、ノンフィクションライターの柳川悠二氏が密着した。(文中敬称略) * * * 令和2年の都知事選には、過去最多となる22人が立候補している。現職の小池に、野党3党の支援を受ける元日弁連会長・宇都宮健児(73)、れいわ新撰組代表の山本太郎(45)、元熊本県副知事の小野泰輔(46)にホリエモン新党公認の立花孝志(52・NHKから国民を守る党党首)を加えた5人が大手メディアが「主要候補」とする候補者だ。 一方、国政選挙や大都市の首長選挙の無名候補者は大手メディアから「泡沫候補」と扱われ、活動が紹介されることは限定的だ。 今回も“へそくり”から供託金やポスター代を用立てた薬剤師の長澤育弘(34)や、自身が立ち上げた国民主権党党首にしてユーチューバーの平塚正幸(38)、2016年の都知事選・政見放送で“放送禁止ワード”を連呼して一部に鮮烈な印象を残した後藤輝樹(37)、政治団体「スーパークレイジー君」代表の西本誠(33)などが立候補している。 こうした無名の候補が注目されるようになったのは、この10年ほどだろう。 各地の選挙に出馬した羽柴秀吉こと三上誠三氏は2015年に死去し、コスプレでスマイルダンスを踊る泡沫候補の代表格、マック赤坂は港区議となったことで“表舞台”から姿を消した。思い返すと、羽柴もマックも、どこか哀愁が漂い、その挙動には可愛げが、愛くるしさがあった。 だが、今回の取材では、明らかな変質が感じられた。30代の若い候補者が多く、そして、多くがYouTubeにチャンネルを持っていた。自身も出馬した立花氏はこんな見立てを披露する。「政見放送がYouTubeなり、SNSに誘導するためのツールとなる。たった300万円の供託金で、NHKで6分の政見放送が2回、民放でも1回放送してくれる。安く見積もって1億円近い宣伝効果。だから売名や商売、布教目的で出馬する人が増えるんです」 とりわけ今回の都知事選では、多くの候補者に当選以外の魂胆が色濃く窺えた。“泡沫候補”が一種のステータスになってはいまいか。令和最初の都知事選に、改めてそう考えさせられた。【都知事選の候補者一覧(届け出順。敬称、肩書き、所属政党は略)】山本太郎、小池百合子、七海ひろこ、宇都宮健児、桜井誠、込山洋、小野泰輔、竹本秀之、西本誠、関口安弘、押越清悦、服部修、立花孝志、斉藤健一郎、後藤輝樹、沢しおん、市川浩司、石井均、長澤育弘、牛尾和恵、平塚正幸、内藤久遠※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.07.03 07:00
週刊ポスト
後藤輝樹氏は政見放送が話題になったことも
スーパークレイジー君・西本誠氏がN国・立花孝志氏の激励に涙
 7月5日投開票の東京都知事選は、小池百合子氏の“圧勝再選ムード”でつまらない──そう決めつけていないだろうか。実は、新聞やテレビが「主要5候補」としか報じない裏では、史上最多となる22人が名乗りをあげている。その“あまりに個性的な選挙活動”に、ノンフィクションライターの柳川悠二氏が密着した。(文中敬称略) 令和2年の都知事選には、過去最多となる22人が立候補している。現職の小池に、野党3党の支援を受ける元日弁連会長・宇都宮健児(73)、れいわ新撰組代表の山本太郎(45)、元熊本県副知事の小野泰輔(46)にこの立花を加えた5人が大手メディアが「主要候補」とする候補者だ。 その他、国政選挙や大都市の首長選挙の無名候補者は大手メディアから「泡沫候補」と扱われ、活動が紹介されることは限定的だ。 2016年の都知事選において、NHKの政見放送で“放送禁止ワード”を連呼し、一部に鮮烈な印象を残した後藤輝樹(37)は今回も出馬した。個人演説会の参加者は9人(うち5人が取材目的)。 麦わら帽子姿の後藤が会場に現れると、エキセントリックな印象はなく、今年に入って一日で体得したという“レイキ(霊気)ヒーリング”を希望者に施していく。前回の政見放送の意図を尋ねた。「発言を注目してもらいたいから。(家族が観たらどう思うか?)気にしたらやってられませんよ。僕の職業は後藤輝樹。108の職種があります」 つまりは煩悩のまま生きているということか。 選挙カーに改造したベンツ・Sクラスから「アンパンマンマーチ」を大爆音で流していたのが、政治団体「スーパークレイジー君」代表の西本誠(33)だ。 金髪を「七三」にわけた彼は、白の特攻服に身を包んで入れ墨を隠していた。逮捕歴があることに加え、8人兄弟はみな腹違いだと西本は打ち明けた。 宮崎出身だという彼の選挙ポスターには、「どげんかせんといかん」と、一世を風靡した先人のキャッチフレーズが。そして、「(投票に無関心の)600万人の代表が僕です」と訴えかけていた。 同じ日に池袋駅東口で演説していた立花孝志(52、NHKから国民を守る党党首)が西本の言葉に共感して演説に加わり、思わぬ激励に西本が涙する場面も生まれた。【都知事選の候補者一覧(届け出順。敬称、肩書き、所属政党は略)】山本太郎、小池百合子、七海ひろこ、宇都宮健児、桜井誠、込山洋、小野泰輔、竹本秀之、西本誠、関口安弘、押越清悦、服部修、立花孝志、斉藤健一郎、後藤輝樹、沢しおん、市川浩司、石井均、長澤育弘、牛尾和恵、平塚正幸、内藤久遠※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.07.02 07:00
週刊ポスト
YouTuberの平塚正幸氏も都知事選に参戦
都知事選候補たち コロナに対する「ただの風邪」等主張の真意
 7月5日投開票の東京都知事選は、小池百合子氏の“圧勝再選ムード”でつまらない──そう決めつけていないだろうか。実は、新聞やテレビが「主要5候補」としか報じない裏では、史上最多となる22人が名乗りをあげている。その“あまりに個性的な選挙活動”に、ノンフィクションライターの柳川悠二氏が密着した。(文中敬称略) 令和2年の都知事選には、過去最多となる22人が立候補している。現職の小池に、野党3党の支援を受ける元日弁連会長・宇都宮健児(73)、れいわ新撰組代表の山本太郎(45)、元熊本県副知事の小野泰輔(46)に、ホリエモン新党公認でNHKから国民を守る党党首の立花孝志(52)を加えた5人が大手メディアが「主要候補」とする候補者だ。 候補者の中でも、とりわけシュールな選挙戦を展開するのが、自身が立ち上げた国民主権党党首にしてユーチューバーの平塚正幸(38)だ。 選挙戦最初の土曜日、人出が増えた新宿南口に平塚の選挙カーは現れた。事前に録音した「新型コロナウイルスはただの風邪です」という主張を、到着からおよそ1時間弱、延々と流し続けた。 平塚の陣営が誰もマスクをせず、「ただの風邪」と言い切っていることに、「そんなわけないだろう」と反発する聴衆もいた。そして、わざわざ車の前に来て両手を広げ、首を横に振る外国人の姿も。 カオスに陥った新宿駅南口を、当の本人は2階テラスから見下ろし、撮影した動画をさっそくツイッターにアップロードしていた。いつまで経っても演説が始まらないため、じれた私は車内に戻った平塚を直撃した。「(新型コロナは)季節性のインフルエンザと比べても感染者数は少ない。嘘を流すメディアこそ病原体です。新型コロナウイルスで死んだ人は知り合いにいないし、亡くなった方の平均は75歳ですよね。申し訳ないけど、もともと死に近かった人しか亡くなっていない」 平塚の最後の言葉に、背筋がゾッとした。「この様子をYouTubeで流していいですか?」と逆質問をしてきた。選挙活動につながるなら何でもありである。 4年前の都知事選で立花孝志を上回る11万票以上を獲得した日本第一党党首の桜井誠(48)だが、国政政党の推薦等はなく、“主要候補”とは扱われない。 コロナ問題で中国からの入国規制など水際対策の遅れの責任を巡って、「小池百合子はまず都民に謝罪すべき。安倍晋三にも同じことが言いたい」と主張する。「武漢肺炎対策」として街頭演説を一切中止。ウェブ上の演説で「公平に取り上げない既存メディアに期待はしない」などの主張を続ける。【都知事選の候補者一覧(届け出順。敬称、肩書き、所属政党は略)】山本太郎、小池百合子、七海ひろこ、宇都宮健児、桜井誠、込山洋、小野泰輔、竹本秀之、西本誠、関口安弘、押越清悦、服部修、立花孝志、斉藤健一郎、後藤輝樹、沢しおん、市川浩司、石井均、長澤育弘、牛尾和恵、平塚正幸、内藤久遠※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.07.01 07:00
週刊ポスト
薬剤師の長澤育弘氏
都知事選候補者 薬剤師・長澤氏と元朝日社員・竹本氏の主張
 7月5日投開票の東京都知事選は、小池百合子氏の“圧勝再選ムード”でつまらない──そう決めつけていないだろうか。実は、新聞やテレビが「主要5候補」としか報じない裏では、史上最多となる22人が名乗りをあげている。その“あまりに個性的な選挙活動”に、ノンフィクションライターの柳川悠二氏が密着した。(文中敬称略)◆「伝えたいことは、えーっと…」 令和2年の都知事選には、過去最多となる22人が立候補している。現職の小池に、野党3党の支援を受ける元日弁連会長・宇都宮健児(73)、れいわ新撰組代表の山本太郎(45)、元熊本県副知事の小野泰輔(46)にこの立花を加えた5人が大手メディアが「主要候補」とする候補者だ。 立候補者の中には、街頭演説などの選挙活動をしない者もいる。 薬剤師の長澤育弘(34)は“へそくり”から供託金300万円(有効投票総数の10分の1を得られなければ没収)やポスター代を用立てた。「家族は呆れています。私は処方箋なしで薬を売る零売という業態が医療費の削減につながるということを政見放送でアピールしたかった。主要5候補の人たちに次ぐくらいの注目を集められれば、私の目的は達成だと思います」「1位じゃなければダメ」な選挙戦で、いわば“6位落選狙い”を公言するのである。 元朝日新聞社員で、山口県在住の竹本秀之(64)は、新宿のホテルに選挙事務所を構えていた。クリーニングが間に合っていないのか、ヨレヨレのワイシャツを着て、ズボンのチャックも半開き。「僕が訴えたいのは言論の自由。自分の言いたいことを選挙で言う。それが目的です」 ならば主張をぜひ聞いてみたい。「うーん……。過去10年、サイバー攻撃を受け続けながら、なんとか生きているってことかなあ」【都知事選の候補者一覧(届け出順。敬称、肩書き、所属政党は略)】山本太郎、小池百合子、七海ひろこ、宇都宮健児、桜井誠、込山洋、小野泰輔、竹本秀之、西本誠、関口安弘、押越清悦、服部修、立花孝志、斉藤健一郎、後藤輝樹、沢しおん、市川浩司、石井均、長澤育弘、牛尾和恵、平塚正幸、内藤久遠※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.06.30 16:00
週刊ポスト
都知事選候補 立花氏は「私の当選ない」、込山氏は元妻に借金
都知事選候補 立花氏は「私の当選ない」、込山氏は元妻に借金
 7月5日投開票の東京都知事選は、小池百合子氏の“圧勝再選ムード”でつまらない──そう決めつけていないだろうか。実は、新聞やテレビが「主要5候補」としか報じない裏では、史上最多となる22人が名乗りをあげている。その“あまりに個性的な選挙活動”に、ノンフィクションライターの柳川悠二氏が密着した。(文中敬称略)◆「私の当選はない」 ムンムンとする梅雨空の下、スーツにネクタイ姿で、なんとも暑苦しい東京都知事選を展開する候補者がいた。ホリエモン新党公認の立花孝志(52、NHKから国民を守る党党首)だ。池袋駅の東口に巨大選挙カーを横付けし、声を張り上げ続けた。「(環境大臣時代の2005年に)クールビズを提唱した小池(百合子)さんに対抗するために、私はスーツにネクタイで戦います! 『ウィズコロナ』も私は(小池より早い)4月の段階から提唱していた。小池さんはもう67歳。コロナとウィズしたら重症化してしまいます。引退してもらうしかない」 令和2年の都知事選には、過去最多となる22人が立候補している。現職の小池に、野党3党の支援を受ける元日弁連会長・宇都宮健児(73)、れいわ新撰組代表の山本太郎(45)、元熊本県副知事の小野泰輔(46)にこの立花を加えた5人が大手メディアが「主要候補」とする候補者だ。 立花は「(自身の)当選はない」と断言した。「今回はホリエモン新党の認知度を高めコアな支持者を作るのが目的です」 国政選挙や大都市の首長選挙の無名候補者は大手メディアから「泡沫候補」と扱われ、活動が紹介されることは限定的だ。立花は「N国」を立ち上げ、昨年の参院選(比例区)で当選した。わずか3か月で辞職したが、扱いは“主要候補”に格上げとなった。 泡沫候補といえば、コスプレでスマイルダンスを踊る選挙活動のマック赤坂が代表格だ。都知事選に出馬すること、実に4回。だが、マックは2019年に港区議選に当選したため都知事選は“2007年以来の不出馬”となった。 その後継者として今回の選挙に出馬したのが込山洋(46)だ。師匠と違い、いたって“正統派”の選挙戦を展開、3日目には早くも声が枯れていた。「世の中を変えるきっかけを作りたいんです。すべての都民を平等に愛することができる人間がトップに立つ器だと思う」 都知事選の供託金は300万円(有効投票総数の10分の1を得られなければ没収)。それを用意するのが出馬への第一歩だ。 込山はもともと九州で探偵や飲食店コンサルティングをしていたが、事業が傾き一家離散。妻とは離婚し、単身で上京して渋谷・ハチ公前の喫煙所の掃除をしていたところ、マックから運転手にスカウトされた。マックを「命の恩人」という。「今回の出馬にあたってマックさんからは『金は出さない。自分でやれ』と言われています。だからスマイル党公認ではなく、推薦に……。供託金は、元妻に150万円を借りて準備しました。『これ以上、巻き込まないで』と言われています」【都知事選の候補者一覧(届け出順。敬称、肩書き、所属政党は略)】山本太郎、小池百合子、七海ひろこ、宇都宮健児、桜井誠、込山洋、小野泰輔、竹本秀之、西本誠、関口安弘、押越清悦、服部修、立花孝志、斉藤健一郎、後藤輝樹、沢しおん、市川浩司、石井均、長澤育弘、牛尾和恵、平塚正幸、内藤久遠※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.06.30 07:00
週刊ポスト
9月総選挙の注目ブロック 東京はれいわ旋風、東海は乱戦
9月総選挙の注目ブロック 東京はれいわ旋風、東海は乱戦
 緊急事態宣言が全面解除された後の6月1日と10日の2回、麻生太郎・副総理兼財務相は官邸で安倍首相とサシの会談を持った。 麻生氏は夏の内閣改造で二階俊博・幹事長と菅義偉・官房長官を更迭し、新体制のもとで9月に一か八かの解散・総選挙を打つ決断を安倍氏に促したというのである。 本誌・週刊ポストは選挙分析に定評のある政治ジャーナリスト・野上忠興氏の協力で「9月解散・総選挙」となった場合の小各党の議席予測を行なった。その予想獲得議席数を見ると、自民党は前回の284議席が228議席となり、日本維新の会が11議席から34議席へと大幅躍進する、といったものだった。公明党は26→29で、野党連合(立件民主+国民民主)は105→157、共産党が12→13、社民党が2→2、れいわ新選組が0→5。全国でどんな動きが起きるのか。注目ブロックの情勢をみていこう。野上氏の分析だ。■北海道ブロック「自民壊滅」 北海道は鈴木直道・知事が最も早く独自の緊急事態を宣言したが、その後、感染の第2波に襲われて収束が遅れた。知事の評価は高いが、農業・水産業など道経済への影響が深刻で政府批判が強く、与党大苦戦が予想される。自民党で議席確保が有力なのは7区と12区くらい。10区の公明党は苦しい。12選挙区のうち10議席で野党候補が競り勝つドミノ現象の可能性がある。■東北ブロック「東北の乱」再び 東北ブロックでは宮城の都市部(1区、2区)、政府の陸上イージス配備問題で批判が強まった秋田は全選挙区で自民が苦戦、森雅子・法務大臣(参院)の地元、福島でも5選挙区で自民は1議席と与野党の議席逆転が相次ぐとみられる。かつての「東北の乱」の再来か。■東京ブロック「れいわ旋風」も メロン配布問題で辞任した菅原一秀・前経産相、IR汚職の秋元司・代議士(現在は離党)など自民党の不祥事議員が再選を目指すが、風当たりは非常に強く、そのあおりで石原伸晃、宏高兄弟など軒並み苦戦が予想されている。公明党は太田昭宏・前代表が引退して別の候補を擁立するが、維新が対立候補を擁立する動きがある。公明vs維新の首都決戦となれば注目だ。都知事選に出馬表明した山本太郎氏率いるれいわ新選組も選挙区・比例代表で議席獲得の可能性があり、維新、れいわ、立憲・国民連合が躍進して首都で自民党は衰退へ。■東海ブロック「河村氏出馬で乱戦」か 愛知はトリエンナーレ問題で大村秀章・知事とバトルを展開している河村たかし・名古屋市長が衆院選に転出するかが注目される。河村氏が大村批判派の維新と組めば、自民が票を食われ、東海ブロックに維新が本格進出する足がかりとなる。■近畿ブロック「維新と公明の決戦」 維新が勢いを増す近畿ブロックは公明党にとっても小選挙区で6議席(大阪4、兵庫2)を握る一大拠点だ。これまで維新は公明に対立候補を立てなかったが、9月解散になると、維新は悲願の「大阪都構想」の住民投票と衆院選のダブル選挙に持ち込む可能性がある。そのとき、公明党が自民党とともに都構想反対に回れば、維新が公明に対立候補をぶつけて正面衝突が起きる。現在の勢いでは自民壊滅、公明党も最悪の場合、6議席の大半を失う可能性がある。■中国ブロック「河井氏出馬なら自民ショック」 自民党が強い地盤を誇る中国ブロックの焦点は河井克行・前法相と案里夫妻(ともに現在は離党・逮捕)の地元の広島だ。検察の捜査で自民党のイメージが大きくダウンしている上、河井克行氏が起訴されても無罪を主張して出馬した場合、自民はブロック全体で票を減らすことになりそうだ(河井案里氏は参議院議員)。 議席予想では、自民党は56議席減の大惨敗で228議席に減らし、単独過半数を割り込む可能性が高い。公明党も29議席から26議席に減少。こうした批判のうねりが全国に広がれば、自公は予測よりさらに議席を減らす可能性もある。 破れかぶれ解散の後、安倍首相は惨敗の責任をとって「レガシー」を残せないまま8年間の長期政権を終えて退陣へ。そして自民党総裁選でポストコロナ時代の新しい総理選びと政治の枠組みづくりが始まるはずだ。※週刊ポスト2020年7月3日号
2020.06.23 07:00
週刊ポスト
議論に終止符が打たれるか(時事通信フォト)
小池百合子都知事 コンプレックス抱え、背伸びしてきた半生
 前回の東京都知事選で「崖から飛び降りる覚悟で」と演説した彼女は、290万票超の得票で圧勝した。あの熱狂から4年。無風状態といわれた都知事選の風向きに変化が訪れ始めた──。 滑らかな堂々たる口調で、万能感溢れる雰囲気が一変、厳しい表情に変わる。緊張と動揺からか一瞬表情が揺らぐが、すぐ立て直す。久しぶりにマスクをとってのぞんだ小池百合子東京都知事(67才)の都知事選出馬会見。その“素顔”が垣間見えた瞬間だった。 7月5日投開票の都知事選で再選をめざす小池知事にふってわいた学歴詐称疑惑。5月末に発売された話題の書『女帝 小池百合子』(石井妙子著、文藝春秋刊)が発端となった。「カイロ大学の卒業証書の原本を出すことは可能かという記者の質問に、正対して答えないまま会見は終わりました。小池知事が疑惑を否定した形ですが、長年にわたる取材を基に書かれた“真実”は無視するにはディテールがありすぎる。その証書が本物かどうかなど裁判をして紙の古さを確認するなどしない限り、もう誰にもわからない。このまま『女帝』が問題提起した『学歴詐称疑惑』は藪の中でしょうね」(都政担当記者) 小池知事が前回の都知事選に立候補したのは2016年6月。自民党東京都連の意向に背いて、いち早く出馬を表明した小池知事は、孤立無援の状態で選挙に挑んだ。 前回の都知事選で小池知事が一気に勢いを持った一幕がある。石原慎太郎元都知事から「大年増の厚化粧がいるんだな、これが」とこき下ろされたときのことだ。「この発言に対し、小池さんは『顔のアザを隠すためです』と怯まず冷静に切り返しました。以降、『女性のコンプレックスを攻撃する旧態依然の男社会に立ち向かうヒロイン』という印象が小池さんにつきました。女性票を集め、都知事選の圧勝劇が生まれました」(前出・都政担当記者) 圧倒的なカリスマ性で支持を集めた小池知事。日本初の女性総理との呼び声も高く、“ガラスの天井”を初めて破るかと期待された。 だが『女帝』では、学歴に関する疑惑だけでなく、これまでのパブリックイメージを覆す半生が綴られている。 東京在住50代の女性は困惑してこう話す。「初めは男性陣がよってたかって小池知事を攻撃している図式にみえたので、彼女を応援していた。ただ、なぜすぐに証書を見せてくれなかったのか。彼女の半生がもし嘘だらけだとしたら何を信じていいかわからない。怖いです」 別の60代の女性の話。「本、読みましたよ。ちょっと信じられない気持ちです。コロナでもテキパキ、活躍されているでしょう。見た目もオシャレでかっこいいですし。その辺りの男性政治家より決断力も度胸もあって好きでした。ただ、そういう目で見ると、前回の都知事選の待機児童ゼロや満員電車ゼロなどの公約は全然守られていないし、いったい本当はどういう素顔なのだろうと…」◆アザと父に翻弄された知られざる少女時代 小池知事は1988年にテレビ東京『ワールドビジネスサテライト』の初代キャスターに就任、語学力とトーク力を武器としてテレビを中心に活躍。だが、1992年には億単位のキャスター収入を捨て、細川護熙氏(82才)が結党したばかりの日本新党から参院選に出馬し、初当選した。「その後も節目節目で抜群の嗅覚を発揮、細川さんだけでなく小泉純一郎さん(78才)や小沢一郎さん(78才)ら大物政治家の寵愛を受け、環境大臣や防衛大臣という要職を歴任しました。“政界渡り鳥”と揶揄されてきましたが、半面、男社会の永田町を生き抜いて、都知事にまで上り詰めた稀有な女性政治家であることは否定できません」(政治ジャーナリスト) 過去に本誌が「政界渡り鳥」といわれることへの感想を尋ねると、小池知事はこう答えた。「私が権力者のところに渡るのではなく、私のサポートでその人が権力者になるんです(笑い)」 これまで、逆風の中でも崩さなかった強気の姿勢。だが、明かされた彼女の半生は悲哀の道だった。『女帝』には右頬のアザを気にしながら幼少期を過ごしてきたこと、父の嘘や期待に苦しめられたこと、学生時代に親しいと呼べる友人がいなかったことが丹念に描かれている。また、カイロ時代に学生結婚し、1年もたたずに離婚したことを極力他言せず過ごしてきたとも。「小池知事は育ちのよい“芦屋の令嬢”というように振る舞ってきたが実態は違う。豪邸でないことを隠すように過ごし、有名なお嬢様学校では成績もよくなく目立たず、アルバイトをしながら糊口をしのいでいた。そんな少女時代のエピソードを耳にすると、堂々と振る舞えば振る舞うほど、彼女のマスクの下にある本当の姿を垣間見てしまった気持ちになります。彼女は小さい頃の話は本当に口にしないんです」(小池氏を知る永田町関係者) 小池知事は生まれつきの右頬のアザをいつも気にしていた。「石原さんに“厚化粧”と揶揄されたときには当意即妙に切り返しましたが、右頬のアザは実際長い間彼女のコンプレックスだった。容姿や経済状況など彼女はコンプレックスを抱えていたからこそ、その反動で自分を大きく見せようと背伸びして振る舞ってきた人。堂々と陽の当たる場所を歩いてきた人ではないんです」(前出・永田町関係者) 小池知事はそのアザについても、「すべてのエネルギーのもと」と嘯く。《母は私には何も言わなかったけれど人に言っているのを聞いたことがあるの。百合ちゃんは女の子なのに可哀相って……。コンプレックスではなかったけれど、でもそれがあるからこんなに頑張ってこれたと思う》(『AERA』1992年11月10日号) マスクの下に隠された素顔を明かされて、彼女はいま何を思うのか。 冒頭の記者会見から3日後、小池知事はカイロ大学の卒業証書を報道陣に公開した。「政策論争よりも卒業証書の話ばかりが出てくるのは(選挙戦に)ふさわしくない」 と公開の理由を明かし、いつものように余裕の笑みを浮かべた。 この日は、山本太郎・れいわ新選組代表も立候補を表明し、無風だとみられていた都知事選が混沌としてきた。運命の投開票は7月5日だ。※女性セブン2020年7月2日号
2020.06.18 16:00
女性セブン
小池都知事の任期は7月30日まで(AFP=時事)
都知事候補 大地・青学・松岡・桃子・太郎の可能性
 東京五輪開会式直前の7月5日、「五輪の顔」を決める東京都知事選が実施される。 安倍晋三首相と“五輪のドン”森喜朗・組織委員会会長のラインが“仇敵”である小池百合子・都知事に対立候補を立てて“小池下ろし”を狙っているというが、自民党内では都知事候補の名前が次々に浮かんでは消えていく。 これまでに名前があがっているのは丸川珠代・元五輪相、ソウル五輪の水泳金メダリストの鈴木大地・スポーツ庁長官、さらに青山学院大学の原晋・陸上競技部監督、元プロテニスプレーヤーの松岡修造氏や元アイドルの菊池桃子氏などだ。 昨年末、自民党はそうした候補者の中で誰が小池に勝てるか内々の世論調査を実施したという。東京都連のベテラン議員が語る。「知事選に出馬してほしい候補者に調査結果を見せて、“あなたなら勝てます”と説得材料にするための予備調査だった。ところが、どの候補をぶつけても小池に勝てない。都連には、丸川なら勝負になると“本命候補”に推す声が多いが、その丸川さえも小池に大差をつけられていた」“五輪のドン”と呼ばれる森氏の側近である橋本聖子・五輪担当相も有力な都知事候補の1人と見られていたが、日刊スポーツのインタビューで、「(出馬は)あるわけないですよ。大臣として東京五輪・パラリンピックが無事終わるまで命がけです」(2020年1月5日付)ときっぱり否定している。 候補者難は野党も同じだ。立憲民主党は前々回参院選東京選挙区でトップ当選した蓮舫・副代表の擁立論があったが、「本人が絶対出ないと固辞した」(同党議員)と立ち消えになった。そこで野党統一候補として浮上しているのが、れいわ新選組の山本太郎代表だ。「山本氏にとって都知事選はれいわ新選組をアピールする絶好のチャンス。自前の候補を擁立できそうにない国民民主や立憲民主も不戦敗をさけるために山本支持を打ち出す可能性が高いし、共産党や社民党も乗るだろう。そうなればかなりの票が見込める」(立憲民主党幹部)と期待されている。 もっとも、東京都知事選では再選をめざす現職知事が敗れたことはない。 選挙情勢分析に定評があるジャーナリスト・野上忠興氏は、「山本氏との一騎打ちは小池氏にとって好都合な展開」とこう指摘する。「小池氏の強みは無党派層だけではなく、自民党支持の保守層や公明党支持層から票を集めることができることだ。山本氏が多少票を伸ばしたとしても支持層が重ならないから脅威というほどではない。一騎打ちなら小池再選の可能性が高まる」 その小池氏はこの間、自民党内の数少ない“援軍”である二階俊博幹事長と会談を重ね、公明党には都の予算に同党の要望を取り入れて取り込みをはかるなど再選にむけた布石を着々と打ってきた。 山口那津男・公明党代表は街頭演説で「都政がこれからも継続性を持って都民第一で進んでいくように、これからの東京をつかさどっていかなければならない」と小池支持をにじませている。※週刊ポスト2020年2月21日号
2020.02.11 07:00
週刊ポスト

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