中学校時代の山上容疑者
「山上容疑者の兄は、幼い頃に頭をけがした影響で、うまく言葉が出てこなかったり、走ったりするときに体のバランスを取りにくいといった後遺症があったんです。お母さんは、けがや後遺症のことを気にしていたんだと思います。そのうえ自分も持病があって……そういったことが重なって、宗教に傾倒していったのかもしれません」(前出・山上容疑者の兄の友人)
7月11日、「世界平和統一家庭連合」は記者会見を行い、山上容疑者の母親が教団の「正会員」であることを認めた。安倍氏はその統一教会の友好団体が主催する行事にメッセージを送ったり、機関誌の表紙に登場したり、また教団の指導者が進める世界平和運動に賛同するなど、その距離の近さが取り沙汰されたことがあった。
山上容疑者の母が正会員になったのは、1998年頃だったというが、「それ以前から寄付を続け、生活は苦しかったようだ。裕福な生活から一転、その日の食事にも困るようになってしまった」(全国紙社会部記者)という。大阪府内に住む山上容疑者の親族男性のもとには、当時、山上容疑者やきょうだいから「家に食べるものがない」と連絡が入ることもあったという。
母親が統一教会の正会員になった1998年、山上容疑者の祖父が死去した。母が会社を引き継ぎ、自宅の不動産や、別の場所にあった土地建物を相続した。しかし、母はその翌年には、不動産を売り払った。
「容疑者は、不動産を売って得た現金のほとんどを、母が統一教会に寄付したと認識しているようです」(前出・全国紙社会部記者)
2002年、母は自己破産するにまで至っている。そして、山上容疑者にとって、“家族の崩壊”を決定的にする事態が起きた。
「容疑者家族が暮らす家の前に、救急車が止まっていたことがあったんです。なんでも、山上さんのところのお兄さんが、自殺したって。2017年頃のことです。抱えていた障害を苦にしたものだったと聞いています」(別の近隣住民)
兄の死もまた容疑者の「宗教のせいで家族が崩壊した」という憎悪を強くさせていった一因になったのかもしれない。
※女性セブン2022年7月28日号