セレクトセールに訪れた蛯名正義調教師
キズナは2日間で33頭が計21億円で落札された。2億円を超える馬こそ出なかったが1億以上が4頭。ディープインパクト後継馬としての地位を固めつつあるが、上記2頭よりは平均価格も控えめでおとなしいセリだった。大物オーナーたちは来年の当歳市場に上場されるコントレイル産駒を待っているのだろうか。今年は全姉の募集価格が3600万円だったブラックモリオン、ドゥラメンテ産駒の半兄が5000万円だったセリエンホルデは上がるのか下がるのか、どっちだ?
モーリス産駒は1歳馬「モシーンの2021」が4億5000万円という最高落札価格を記録。億越えが1頭だった昨年にくらべれば存在感を示した。姉プリモシーンはディープインパクト産駒で5500万円だったと聞くと、「出資」ではなく所有することはとんでもないことだというのを実感させられる。来年のサンデーサラブレッドクラブ募集馬では、リリーノーブルの牡馬が待機している。
クラブ募集馬で親分格のロードカナロアは、種付料でトップの座を明け渡したからではないだろうが、ノーザンファーム生産の1歳馬に億の声がかからなかった。当歳でも1頭で、こちらはむしろ社台ファーム生産馬が人気を集めていた。とはいえ来年の募集馬にはシーティス、ジューヌエコール、ドナウブルーといった人気常連馬の子がしっかり控えている。少し落ち着いた時にこそ、走る馬が出てくるような気もする。