ライフ

CMでも注意喚起される「帯状疱疹」 2種類のワクチンで発症予防

20~40歳代での帯状疱疹が増えているという(イラスト/いかわやすとし)

20~40歳代での帯状疱疹が増えているという(イラスト/いかわやすとし)

 50歳代以上に多く発症する帯状疱疹だが、近年は20~40歳代での発症も増加している。顔に発疹が出ると、まれに合併症で失明や顔面神経麻痺、脳卒中などが起きてしまう。また後遺症の帯状疱疹後神経痛が発症した場合、激しい痛みが長期的に続く。現在、2種類の帯状疱疹ワクチンが承認されており、発症予防効果が報告され、費用を半額補助する自治体もある。

 子供時代に感染した水ぼうそうのウイルスが神経節に潜み、免疫の低下によって発症するのが帯状疱疹だ。50歳代以降に好発し、80歳代以上では3人に1人が発症するとされる。以前は9歳までに90%の子供が水ぼうそうにかかっていたが、2014年にワクチンの定期接種が始まり、感染はほとんどなくなった。

 愛知医科大学病院皮膚科の渡辺大輔教授に聞く。

「水ぼうそうにかかる子供が激減したので、その親世代の20~40歳代での帯状疱疹が増えています。というのも、子供の発症で親もウイルスに触れ、免疫が活性化するブースター効果が減ったためと考えられています。他にアメリカのデータですが、50歳以上でコロナに感染すると、帯状疱疹発症リスクが15%増えるとの報告もあります」

 水ぼうそうは全身に水疱ができ、水疱内には大量のウイルスが存在する。そのウイルスは知覚神経を通り、脊髄の後根神経節や顔の三叉神経節に潜んでいて加齢、がん、糖尿病などの病気、免疫抑制剤の使用や過労などにより、免疫が低下すると再活性化する。

 そうなると、神経に沿い体の一部の片側に赤い発疹が現われ、強い痛みを伴う。

 どの部分でも発症するが、三叉神経から顔に発疹が出ると、一部が目に入り、ブドウ膜炎や視力低下を起こし、失明の可能性もある。また耳付近では難聴やめまい、顔面神経麻痺(ハント症候群)が起こることもあるので注意が必要だ。脳に入った場合には脳炎や血管が詰まって脳卒中を起こす例も。

関連記事

トピックス

初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン