スポーツ

羽生結弦“かわいさ”でファンを魅了にした言葉「おれ、なんで泣いているんだろう」

2015年GPファイナルで歴代最高点を叩き出しプーさんを抱えて涙(写真/共同通信社)

2015年GPファイナルで歴代最高点を叩き出しプーさんを抱えて涙(写真/共同通信社)

 フィギュアスケート界の英雄・羽生結弦(27才)が7月19日に会見を行い、競技人生に1つの区切りを付けた。2014年のソチ五輪で日本人男子として初の金メダルを獲得すると、2018年の平昌五輪では、男子では66年ぶりとなる連覇を達成。その経歴で燦然と輝くのは五輪での活躍だが、羽生は五輪以外の舞台でも観客を虜にしてきた。

 2012年ニース(フランス)の世界選手権では、SP7位からフリーで2位へと大躍進(総合3位)。あまりの気迫に実況は「世界を震わす17才」と叫んだ。

「ステップに入る前、片手を上げて“行くぞ~!”と雄叫びを上げた。拳を握りしめて、まるで牙をむくように真っ白な歯を覗かせて叫んだんです。会場がユヅ一色に染まった瞬間でした」(40代女性)

 10年来の羽生ファンを自認する女優の室井滋さんが「何回でも見たい」と言うのは、2012年のスケートアメリカでの演技『パリの散歩道』だ。

「ジュニア時代から“すごい子がいる”ことは知っていましたが、『パリの散歩道』を見て“わぁ”って目を見張りました。技術の高さはもちろんですが、それ以上に惹かれたのが表現力。本当に軽やかで、パリを散歩しているみたいで。気持ちよさそうに心からスケートを楽しんでいるのが印象的でしたね。競技ということも忘れて無邪気に踊る姿に、魅了されました。いまでもVTRを見るたびに胸が躍ります」(室井さん)

 震災直後には「スケートを続けてもいいのか」と悩んでいた羽生。苦しい思いも抱えながら、2012・2013年シーズンは全日本選手権で初優勝、GPファイナル2位と飛躍した。

「『パリの散歩道』でまさに世界に打って出る、というタイミングでしたね。その後、彼はたくさんのものを背負うようになっていくけれど、このときはまだ18才の少年。隠しきれないあどけなさがかわいいのに、技術は世界レベルでそのギャップがたまらなかった。競技会をやめたら、がんばりすぎないで、また純粋にスケートを楽しんでほしい。もう一度あの頃の羽生くんが見たいです」(室井さん)

 輝かしい功績の裏で、羽生の競技人生はけがとの闘いでもあった。2014年のGPシリーズ中国杯では練習中に中国選手と激突し転倒するアクシデントに見舞われた。しばらく動けず、立ち上がったときには頭と顎から出血し、誰もが「棄権」するものと思った。「それでもリンクに戻った姿が印象的でした」と、コラムニストの今井舞さんは話す。

「頭と顎に痛々しいテーピングを施し、コーチが棄権をすすめても拒否。見たことないほどの険しい表情でリンク中央に出て、音楽が流れるとスッと自分の世界に入っていく。どんなトラブルにも対応できる精神力と、流血さえ“絵になる”情景にしてしまう、羽生さんらしさが表れた象徴的なシーンでした」

 一方、「かわいさ」でファンを魅了したのが、2015年のGPファイナルでの「ひと言」だ。

「自身の持つ歴代最高得点を更新したとき、キスアンドクライで、大好きなくまのプーさんのぬいぐるみを膝に抱えて、英語で“おれ、なんで泣いているんだろう”と言いながら感極まって大泣き。涙が止まらない自分に驚いたような困ったような表情を浮かべていました。でも口元はうれしそうにほほえんでいて。リンクで見せない表情に悶えました」(30代女性)

関連キーワード

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン