きつねダンスは日本ハムのキタキツネのマスコット「フレップ・ザ・フォックス」(右、愛称・フレップ)のために考案された。中央はクマのマスコットB・B、左はエゾリスのマスコットポリー[日本ハム提供](時事通信フォト)

きつねダンスは日本ハムのキタキツネのマスコット「フレップ・ザ・フォックス」(右、愛称・フレップ)のために考案された。中央はクマのマスコットB・B、左はエゾリスのマスコットポリー[日本ハム提供](時事通信フォト)

 きつねダンスの仕掛け人たちのインタビュー記事によると、「初見でもマネしやすい」「誰が見てもパッとできる」「お年寄りから子供まで」「子供でもマネできるように」と、これまで行われてきたチアリーディング的な応援とは違い、誰もが参加できるように意図されていることがわかる。野球の応援といえばチアガールのダンスを見たり、球団グッズに身を包んだファンが、応援グッズを片手に大声を上たり、応援歌を熱唱するという姿が思い浮かぶ。だがきつねダンスはそれとは違う。

 見ているとファイターズガールに合わせて、きつねポーズをちょっとマネしたくなってくるし、ちょっと踊ってみたくなる。「座りながらでも踊れるように」とアレンジされたポーズは、身体をちょっと動かすだけ。この”ちょっと”がきつねダンスの人気の理由だ。誰もが気軽に、簡単にという参加型であり、繰り返しの多い歌詞は覚えやすく、本家の踊りをベースに、面白くキャッチーで簡単な振り付けにアレンジされているため、子供のリズム遊びのような感覚を与えている。

 この”ちょっと”は球団にとって、大きな意味を持つ。SNSやTikTokでちょっと踊ってみた、やってみたという人の中には、日本ハム戦を観戦してみようという人や、球団に関心を持つ人も出てくるだろう。

 それは心理学でいうところの「フットインザドアテクニック」に似ている。ビジネスの様々な場面で使われているこのテクニックは、簡単な要求から始めて、段階的に要求のレベルを上げていくという説得法だ。球団の認知度を上げ、ファンの数を増やしたい球団にとって、いかにチームに関心を持ってもらうかは大きな問題である。参加してもらう、関心をもってもらうためには、間口は広く、ハードルは低いほうがいい。きつねダンスはそこにぴったりはまったといえる。

 新庄ビッグボスになってから、なかなか思うような結果が出せない日本ハム。さすがにきつね耳のカチューシャをつける勇気はないが、こうやって記事も書いたことだし、きつねダンスをマスターしてみようかな。

北海道日本ハムファイターズ FIGHTERS GIRL(ファイターズガール)/時事通信フォト

北海道日本ハムファイターズ FIGHTERS GIRL(ファイターズガール)/時事通信フォト

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