スケートリンクの中央に立ち、流れるようなステップを踏むひとりの青年。7月下旬の深夜、誰もいない仙台市内のスケートリンクで、それまでと変わらず華麗な舞を見せていたのは羽生結弦(27才)だった。
7月19日の「決意表明会見」後も、羽生とスケートの関係性はなんら変わらない。スケート=生きている──そう話した彼は、極秘のうちに再出発を果たしていた。孤高の練習は午前3時までおよんだ。
フィギュアスケートの第一線を退いた羽生の次の“ステップ”はどんなものになるのか。アイスショーへの出演や、フィギュアスケートのコーチ業、中には俳優への転身といった報道もあったが、『女性セブン』は羽生が「世界的スケールのイベント」に出演予定であるという情報をキャッチした。
「日本と中国の両国に深くかかわるイベントです。今年9月に、日本と中国が国交正常化50周年を迎えるにあたって開催されるもので、日中両国から著名人が参加する予定となっています」(外交関係者)
羽生にとって、中国は思い出深い場所だ。2005年に香港で開催されたアジアノービス選手権で、10才の羽生はダブルのコンビネーションジャンプを披露し、会場を沸かせた。中国で開催されたGPシリーズや世界フィギュアに出場し、今年2月、五輪3連覇を目指して臨んだ北京五輪が最後の競技会出場だった。
一方、2014年のGPシリーズ中国大会で起きた、6分間練習での“衝突事故”を鮮明に記憶している人も多いだろう。羽生は中国ではファンから「国籍を超えた存在」と言われるほど絶大な人気を誇っている。中国事情に詳しいシグマ・キャピタル代表取締役の田代秀敏氏が話す。
「羽生さんの中国国内での人気の理由は、中国人が理想とする“美男子像”を完璧に具現化しているからです。色白で細面で、スラリとした手足に憂いを帯びた神秘的な目。中国では『氷上王子』と呼ばれています。中国で羽生さん主催のアイスショーを開催するとなれば、多くの人がチケットをわれ先にと買い求めるし、数億単位の人がテレビで視聴することになるでしょう」