国内

家族がカルト、陰謀論、マルチにハマったら… 目を覚ますには何をすればいいか

写真/イメージマート

家族がカルトにハマったら…(写真/イメージマート)

 安倍晋三元首相(享年67)の銃撃事件から約1か月。山上徹也容疑者が凶行に及んだ動機とされる、旧統一教会に関する報道を見て、「なぜハマるのか」と理解できず驚いている人もいるだろう。だが、あなたの家族が被害者になる可能性は大いにある。都内在住の須田裕子さん(仮名・44才)が話す。

「高校時代に仲のよかった同級生から連絡があり、10年ぶりにランチをしたんです。昔話に花が咲き、とても楽しくおしゃべりしていました。ですが、彼女が突然タブレットを取り出して、『見てほしい映像がある』と2時間以上も宗教団体の勧誘動画を見せてきて……。だんだん『これが真理なのかも』と思えて、危うく信じ込みそうになりました」

 明星大学心理学部准教授の藤井靖さんが警鐘を鳴らす。

「カルト宗教などに対し、『ハマってしまう方が悪い』『自分は絶対にハマらない』と考える人がいます。しかし、ハマるかどうかは“運”ともいえます。正直、状況しだいでは私自身もハマってしまう可能性を否定できない」

 カルト宗教の勧誘は、サークル仲間や“友人の友人”といった、「一定の関係」を築いて行われることが多い。心理的に、即座に拒否するのが難しい状況を作るためだ。さらに、一度断っても継続的にアプローチをかけ続ける。

「人というのは、感情や体調にムラがあるものです。継続的に接触していれば、疲れ果てて弱ったタイミングに当たることもある。そのときに、『わが団体に入れば大丈夫。すべての悩みが解決して幸福になれる』と言われたら、憔悴している人は飛びつきたくなるものです」(藤井さん)

 身近な人や自分自身が、不運にも危険なものにのめり込んでしまった場合、私たちは何をすべきだろうか。

“ヤバい人”の境界線

 精神科医で岡田クリニック院長の岡田尊司さんは、「依存」は現代人にありふれた問題だと話す。

「宗教に限らず、患者の中にはスマホゲームに何千万円もお金を使ったという人や、占いに何十万円もつぎ込んだという人もいました。彼らにとって、それが心のよりどころになっているため一概に否定はできませんが、全財産をつぎ込むほど心酔するのは危険サインです」

 特定のものに対して過剰な依存に陥りやすい人は「依存性パーソナリティー障害」の疑いがある。さらに、依存を超えて「狂信」という段階に至る場合には、「妄想性パーソナリティー障害」を有していることが多いとされる。

「前者は強い不安にさいなまれていて自信がなく、自分よりも確信を持っている人に頼りたいと考える特徴がある。暗示にかかりやすく、マインドコントロールを受けやすい。一方、『妄想性〜』の人は不信感が強く、裏の意図を勘ぐり、何に対しても怪しむ傾向があります」(岡田さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン