タマネギをみじん切りすると、どんな豪腕の大男でも涙を流す(イメージ)
ひき肉は特売の安い物で十分
話をジャージャー麺に戻そう。作り方は、手軽に作れるものしか作らないという元組長だけあって簡単だ。材料は中華麺3袋に対し、具材はひき肉150gに、シイタケ、たけのこ、玉ねぎか長ネギを適量、味付けにはオイスターソースを小さじ1/2、甜麺醤が大さじ2、砂糖小さじ1/2、塩少々、香味シャンタン小さじ1/3、片栗粉小さじ1.5、ラー油とゴマ油がそれぞれ小さじ1/3、それに水100cc。
「中華麺は3袋180円くらいの安い物で十分。組の賄い飯は質より量だから、安い物でもいかに美味しく作るかが腕だったからね」今でも、できるだけ安い物を選んで買うという元組長は、スーパーの食材の値段をよく知っているし、業務用スーパーにもよく足を運ぶという。
前回、紹介した牛丼などは「本当に美味しいのは、ぺらぺらと薄っぺらい、削りカスみたいなバラ肉だ。ちょっといい肉を使おうものなら、脂身が多くてうまくない。ジャージャー麺のひき肉も安い物、特売の安い物で十分だ」
中華麺は茹でて水を切り、そこにサラダ油をほんの少しだけ垂らし、麺どうしがくっつかないようまぜておく。「しいたけとたけのこ、玉ねぎは”ぶんぶんチョッパー”でみじん切りさ。玉ねぎではなく長ネギにするなら、緑の部分はみじん切りで具材と混ぜ、白い部分は細長く切って白髪ねぎにする。盛り付けの時、肉みその上に乗せると見栄えがいい」
ぶんぶんチョッパーは、K&Aが発売するハンドルを引くだけで野菜などのみじん切りができる便利調理グッズ。元組長はぶんぶんチョッパーと言っているが、実際使っているのは別物。他社からも似たような仕組みのみじん切り器が複数、発売されており、中でも元組長のお気に入りは、ダイソーで買ったというハンドル野菜カッター(330円)だ。
「これさえあれば、みじん切りもあっという間で手間いらず、マジに便利だよ。組の当番では、包丁を使って時間をかけてみじん切りをしていたが、用意する量によっては、これが意外と面倒でね。玉ねぎをいくつもみじん切りしなければならない時は、泣きながらやっていた。他の事では泣かないヤクザも、玉ねぎには泣かされるんだ。今はこれさえあれば、玉ねぎも怖くない」と笑う。