「みじん切りの大きさはお好みでと言いたいところだが、これを見せると若い者も店の女の子も、ハンドルを引っ張ってぶんぶんやりたくなるらしい。気をつけないとすぐに具材が粉々だ。粗みじんがいいならハンドルを引くのは10回ほどだが、食べやすいのは13~14回。メーカーによって使い勝手も切り口も違うから、ハンドルを引く回数は、具材の切れ具合を見ながら自分で調節すればいい」
「フライパンに油を入れて中火で肉を炒め、シイタケとタケノコ、玉ねぎを加えて炒める。炒まったら水を入れ、味付け調味料をそこに投入。フライパンの火を止め、水溶き片栗粉を加え、再び火をつけて混ぜ、とろみを出す。肉みそができたら、そこにラー油とゴマ油を入れ香り付けをする。器に水切りしておいた麺を入れて、肉みそをかければ完成。白髪ねぎがあれば、肉みその上にちょんと乗せて盛り付けのアクセントに」
味付けが物足りない時は、オイスターソースで調整するのがといいと元組長。「万能調味料にはシャンタンの他に、ウェイパーや香味ペースト、鶏がらスープの素などがあるけれど、ジャージャー麺にはシャンタンが合う。他より塩味が強いからね」
付け合わせに作るのは、キュウリとショウガの漬物だ。「ショウガは業務用の刻みショウガ、これを大さじ3杯。軽くフライパンで炒める。そこにみじん切りにしたキュウリ1本を入れ、これも軽く炒める。フライパンから取り出して器にいれ、白だし大さじ1、しょうゆ大さじ2、みりん大さじ2、酒大さじ2を入れて混ぜ合わせ、冷蔵庫で冷やすだけ。食べる時に器に盛って、上に白ごまを散らす。簡単だけど、これが旨いんだ。卵かけご飯に乗せたら最高」
「食べた若い者がレシピを教えてくれというから、ラインで教えてやった」という組長。若い者に送ったというラインには、物騒なヤクザ情報の間に挟まれるように漬物レシピが並んでいた。