神尾楓珠は『非常階段』に主演
俳優とスタッフの貴重な登竜門
昨年の『ほん怖』では、乃木坂46・与田祐希さんと橋本環奈さんが主演を務めたほか、恒松祐里さん、堀田真由さん、長見玲亜さん、箭内夢菜さんら若手女優が出演しました。今年も、乃木坂46・山下美月さんと、ももいろクローバーZ・高城れにさんが主演を務めるほか、大友花恋さん、小野花梨さん、鈴木ゆうかさんら若手女優が出演します。
さらに神尾楓珠さん、松本若菜さんという旬の俳優も起用するなど、『ほん怖』は「アイドル」「若手」「旬」という3つの角度からキャスティングされるのも特徴の1つ。つまり、アイドルや若手の登竜門であり、旬の俳優にはステップアップの証となる貴重なコンテンツなのです。
また、登竜門となっているのは俳優だけではなくスタッフも同様。これまでも『世にも奇妙な物語』を含めオムニバスドラマは、若手スタッフが連ドラにつながるステップアップの役割を果たしてきました。そんな側面もあるだけに、1年の終わりが見えてきた10月ではなく8月に放送するほうが、俳優にとってもスタッフにとっても、年末年始や来年上半期のチャンスにつながりやすいのです。
最後に8月から10月への移動についてふれておくと、2020年夏はコロナ禍で東京オリンピック・パラリンピックが延期されたほか、ドラマは厳しいガイドラインのもとで撮影しながらも中断を余儀なくされるなどの危機的状況。翌2021年夏は東京オリンピック・パラリンピックが開催されたイレギュラーな年であり、ようやく落ち着いた2022年8月に『ほん怖』が戻ってくるのは自然な流れに見えます。
「怖い話」を夏以外に放送するメリットは少なく、「夏は『ほん怖』」というブランディングを損ねないためにも、今後は再び8月の風物詩となり続けていくのではないでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
山下美月は『一言のあやまち』に主演
高城れには『憑けてくる』に主演
松本若菜は『遊び待つ』に主演