脱毛方法の選び方
専門家はこの結果をどう見るか。皮膚科・美容皮膚科医の花房崇明さん(千里中央花ふさ皮ふ科院長)はアデランスの調査結果に対し、やはり「脱毛は都市部だけでなく地方部にも広がっており、脱毛が大衆化している可能性があります」とコメント。今後は、老若男女を問わず脱毛を経験する人が増えることが予想される。
ただ、一口に脱毛といってもエステ脱毛や医療脱毛、自宅でのセルフケアによる脱毛など様々ある。花房医師に、クリニックやサロンで行う場合の注意点を聞いた。
「エステ脱毛や医療脱毛の場合、明瞭会計であるかを確認しましょう。広告などで“ワンコインでできる”などの低価格を謳っていても、脱毛個所や回数によっては高額になるケースも少なくありません。契約する際は、納得するまできちんと説明を受け、アフターケアについても質問するようにしてください。
また、脱毛レーザーはメラニンという黒色の色素に反応するため、毛が濃い人の方が効果が実感しやすい一方、体毛が薄い人は効果が実感しにくく、回数が増える可能性があります。ご自身の体毛の状態によっては回数にも影響することを理解しておきましょう」
一方、セルフケア脱毛では除毛クリーム、毛抜きによる処理、家庭用脱毛器などを用いることが多い。それらを利用する際はどのような点に注意したらよいのだろうか。
「除毛クリームは、クリームに含まれるチオグリコール酸カルシウムが毛のシスチン結合を切断し、“毛を溶かす”仕組みになっています。毛に比べて皮膚のシスチン結合は少ないため、通常の使い方をしていれば除毛クリームが肌を溶かしてしまう心配はありませんが、肌ダメージは少なからずあります。
毛抜きによる処理は、毛穴にばい菌が入ることで毛嚢炎(毛穴の奥の毛根を包んでいる部分の炎症)を引き起こしたり、埋没毛(埋もれ毛)になることがあります。家庭用脱毛器も色々な種類が出ていますが、医療用と比べると出力が弱いため回数を重ねる必要があることを理解しておきましょう。
家庭用脱毛器の場合、一般的に1〜2週間に1度のペースで照射することが一般的です。照射するヘッドが小さい場合、広範囲の脱毛を行う場合は時間がかかるので、ヘッドが大きいものがおすすめです。金額としては数万円程度で手に入るようなので、脱毛を試してみたい人にはおすすめです」(同前)