厚労省のデータ集計には問題がある
鳥集:国内外の統計や論文を見ると、感染を予防するどころか、ワクチンを接種した方が感染しやすくなっているのでは?と思うようなデータも出ていますが、実際のところ皆さんは、どのように感じておられますか。
D介:確かにウイルスが変異を続けるなかで、最初に蔓延したウイルスの型に対応するワクチンを何度も打てば、変異株に感染しやすくなることは理論的にあり得ます。ただ大前提として、世界各国でこれだけ感染状況に差があるので、外国の特定の集団のデータはあくまで参考にすぎません。日本独自の生のデータを見て判断する必要があります。
B子:そうなんですが、「ワクチンが効いたかどうか」をデータで検証するのはすごく難しいですよね。「ワクチンが重症化を防いだ」という専門家もいますが、臨床現場の高齢者はほぼ100%が接種済み。比較対象となる非接種者がいないので、打たなかったら本当に重症化していたかを知る術がないんです。
D介:コロナ禍初期は欧米よりはるかに感染者数が少なかったのに、接種が進んだ現在は欧米の感染者数を追い越している。この現実を目の当たりにすれば、ワクチンの効果を疑うのが当然です。
A男:そもそも弱毒化しているウイルスにワクチンを打つ意味がどこまであるのかも疑問です。そういったことも含めて、新型コロナやワクチンに付随する問題を検証し、反省するには正確な統計データが必須です。でも、日本にはコロナ陽性者とワクチン接種歴をひもづけるまともなデータがありません。
現在、新型コロナ感染者のデータは厚生労働省の『HER-SYS』というシステムで管理されている。感染者の年齢や性別、ワクチンの接種歴を入力することになっているが、当初は“ワクチンを接種したが正確な接種日時などが不明な新規感染者”を未接種として分類していたなど、その集計方法には疑問の声も上がった。
C夫:厚労省のデータはあまりにも問題が多い。集計方法のあいまいさに加え、8月4日に、医療機関や保健所の負担軽減を名目に、ワクチン接種回数を記載することも不要にすると発表しました。
A男:意図的かどうかを別にしても極めて杜撰。これでは検証も反省もできません。彼らは結局、うやむやにするつもりなんでしょう。
(第2回に続く)
※女性セブン2022年9月8日号
学会がコロナワクチンへの注意喚起を行っている一例