国内

旧統一教会の関連団体・企業一覧図 紀藤弁護士は「ここまで手広いケースはない」

旧統一教会の関連団体・企業一覧図

旧統一教会の関連団体・企業一覧図

 岸田文雄・首相が自民党と旧統一教会との“絶縁宣言”をしたにもかかわらず、その後も明らかになる議員らの信者からの選挙協力や、教会関連施設への訪問。岸田首相は関連団体について「旧統一教会に関係しているという認識がなかった」という釈明に追われる始末だ。では、実際にはどういった関連団体があるのだろうか。一覧図を作成した。

 安倍晋三・元首相が2021年9月にビデオレターを送っていた「天宙平和連合(UPF)」など、旧統一教会とつながりを持つ多数の関連団体。全国霊感商法対策弁護士連絡会提供の資料には、疑惑段階のものを含め100を超える団体名が並んでいた。旧統一教会問題を追及し続ける、リンク総合法律事務所の紀藤正樹弁護士が説明する。

「形式的に異なる組織に見えているだけで、根本的にはすべて同じ団体だと理解していい。多くの関連団体を作る理由は、正体を隠したほうが伝道や経済、政治活動などがしやすいからです。

 一般論として、出版社や大学を持っている宗教団体自体は複数ありますが、メディアを含めここまで手広い分野に多数の団体を持っているケースはほとんどありません」

 多数の旧統一教会の関連団体は、政治家が関係を疑われた際の“隠れ蓑”として作用してきた側面がある。事実、関連団体と関わりを持ち、旧統一教会とのつながりを問われた政治家は「教団と関係あるとは知らなかった」と口を揃える。宗教専門誌『宗教問題』編集長・小川寛大氏が語る。

「教会側が正体を隠して“偽装勧誘”できるのはもちろん、政治家側も、団体との関係が発覚した際に『知らなかった』とシラを切る理由にできると考え、利用するケースがあったと想定できる。

 近年は一概に『反共』などと謳わずに、SDGsや女性の地位向上など、一見ライトで教会の教義との関係もみられないような理念を掲げる関連団体も多い。教会側も信者の獲得や固定化のため、時代の流れに巧みに対応してきたのではないか」

 国境を越えて存在する関連団体の実態を政治家は正しく理解するべきだ。

※週刊ポスト2022年9月9日号

関連記事

トピックス

“令和の小泉劇場”が始まった
小泉進次郎農相、父・純一郎氏の郵政民営化を彷彿とさせる手腕 農水族や農協という抵抗勢力と対立しながら国民にアピール、石破内閣のコメ無策を批判していた野党を蚊帳の外に
週刊ポスト
緻密な計画で爆弾を郵送、
《結婚から5日後の惨劇》元校長が“結婚祝い”に爆弾を郵送し新郎が死亡 仰天の動機は「校長の座を奪われたことへの恨み」 インドで起きた凶悪事件で判決
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
「最後のインタビュー」に応じた西内まりや(時事通信)
【独占インタビュー】西内まりや(31)が語った“電撃引退の理由”と“事務所退所の真相”「この仕事をしてきてよかったと、最後に思えました」
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬・宮城野親方
【元横綱・白鵬が退職後に目指す世界戦略】「ドラフト会議がない新弟子スカウト」で築いたパイプを活かす構想か 大の里、伯桜鵬、尊富士も出場経験ある「白鵬杯」の行方は
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
「日本人ポップスターとの子供がいる」との報道もあったイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
イーロン・マスク氏に「日本人ポップスターとの子供がいる」報道も相手が公表しない理由 “口止め料”として「巨額の養育費が支払われている」との情報も
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン