8月27日早朝、谷本将志容疑者の居室で家宅捜索が行われた(右:共同通信)
8月27日早朝、神戸市のマンションで会社員・片山恵さん(24)を刺殺した疑いに問われている谷本将志容疑者(35)の勤務先に、警察の家宅捜索が入った。現場には20人近い報道陣が詰め寄り、あたりは物々しい雰囲気に包まれた。5時15分過ぎ、4人の捜査官が神妙な面持ちで、事務所へと入っていった。
谷本容疑者がドライバーとして2年ほど前から働いていた新宿区内の運送会社には寮が併設されていて、容疑者含む5人の男性が暮らしていた。それぞれの個室は4畳半ほどで、風呂やトイレは共用。最寄りの駅から徒歩で15分ほどの住宅街に位置している。
勤務先の社長は、NEWSポストセブン取材班に対し、こう述懐していた。
「彼は『親の介護のために300万円借金している』と言っていた。私はそれを信じていたし、助けたいと思って弁護士を紹介して自己破産の手続きを始めさせた。事件が起きたこともあり、『(弁護士に)自己破産やめてくれ』と言ったんだけど、『あくまで谷本容疑者と私の契約なので』と断られました。弁護士の紹介料はこっち持ちです。正直、腹が立っています」
この社長は公私ともに容疑者の面倒をよく見ていたからこそ、谷本容疑者へ深い落胆と強い怒りを感じているようだ。容疑者は、「仕事はめちゃくちゃ優秀だった」のだという。
「ルートとか、製品、品物など、仕事を覚えるのがとにかく早い。だいたいこの仕事って、2週間くらいは助手席に乗って先輩ドライバーから教えてもらないと独り立ちは出来ないけど、彼は数日で配達ルートとかを覚えていた。相当優秀ですよ。
寡黙で、やるべきことを必死に覚える。仕事には本当に熱心な男だったんです。配送ルートをまとめるのとかは特に得意でした。ゆくゆくは、リーダー的存在になっていく人材だと思っていました」
女性関係の話や、トラブルなども一切なかったようだ。さらに社長が続ける。