スポーツ

大相撲9月場所「異例の3関脇3小結」で“番付崩壊”は改善されるのか

平幕優勝を果たした逸ノ城(左)は三役に昇進(時事通信フォト)

平幕優勝を果たした逸ノ城(左)は三役に昇進(時事通信フォト)

 9月11日に初日を迎える大相撲秋場所の番付が発表された。7月の名古屋場所では上位陣が序盤から次々と星を落とす“番付崩壊”の状態となり、平幕の逸ノ城が初優勝を果たした。また、多くの部屋で新型コロナ感染者が出たために、途中休場せざるを得ない力士も続出。そうした力士の処遇がどうなるかも含めて注目の集まる新番付の発表となった。

 名古屋場所中に感染者が判明したのは12部屋。場所前に判明していた田子ノ浦部屋を含めて13部屋の力士が休場せざるを得なくなった。休場した力士は約620人のうち約170人にのぼり、十両以上の関取だけでも23人を数えた。相撲担当記者が言う。

「新型コロナによる途中休場力士についての規定は設けられていなかったが、休場となった日の不戦敗がつく前の時点で勝ち越していた力士は番付が上がり、負け越していた力士は降格されることとなった。勝ち越しも負け越しも決まっていなかった力士の番付は据え置きに。2勝5敗8休だったカド番の御嶽海が大関に残り、7勝4敗4休と勝ち越し目前だった琴ノ若が東前頭2枚目で据え置きになるなど、個別ケースで違和感を覚える例がないわけではないが、概ね公平性は保たれたのではないか」

 そうなると注目は、今場所は“番付崩壊”の状態が変わるのかどうかだろう。ここ数場所は、序盤から横綱・大関に黒星が相次ぎ、平幕力士を三役以上が追いかける展開が続いている。名古屋場所も初日に1横綱、2大関に土がつき、中日を終えて照ノ富士と平幕6人が2敗で並ぶ大混戦となった。

 最終的に西前頭2枚目の逸ノ城が12勝3敗で優勝。今年になって横綱・大関が賜杯を抱いたのは5月の夏場所で序盤に3敗しながら逆転優勝した照ノ富士だけである。平幕力士が横綱や大関に勝つ取組が連日のようにあり、もはや“波乱”とは言えないような状況だ。協会関係者はこう言う。

「NHKの相撲中継では、平幕力士が横綱や大関に勝てば『金星』や『銀星』としてインタビュールームに呼ばれるが、先場所は7日目まで毎日インタビューがあり、初日と5日目に至っては3人も該当者がいて中継終了ギリギリになってしまった」

 横綱や大関をどんどん倒せる平幕力士は本来、番付が三役に上がっていき、そうなれば金星や銀星にカウントされなくなるのだが、突出した成績を残す力士がいないなかで、「三役力士もほとんどが少しずつ勝ち越す」という状況が生まれ、実力のある平幕上位が“渋滞”にはまる現象が起きていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMOを退任することがわかった井ノ原快彦
《STARTO社取締役を退任》井ノ原快彦、国分太一の“コンプラ違反”に悲しみ…ジャニー喜多川氏の「家族葬」では一緒に司会
NEWSポストセブン
東京都内の映画館で流されたオンラインカジノの違法性を訴える警察庁の広報動画=東京都新宿区[警察庁提供](時事通信フォト)
《フジ社員だけじゃない》オンラインカジノ捜査に警察が示した「本気度」 次のターゲットはインフルエンサーか、280億円以上つぎ込んだ男は逮捕
NEWSポストセブン
国民民主党から公認を取り消された山尾志桜里氏の去就が注目されている(時事通信フォト)
「国政に再挑戦する意志に変わりはございません」山尾志桜里氏が国民民主と“怒りの完全決別”《榛葉幹事長からの政策顧問就任打診は「お断り申し上げました」》
NEWSポストセブン
中居正広氏と被害女性の関係性を理解するうえで重大な“証拠”を独占入手
【スクープ入手】中居正広氏と被害女性との“事案後のメール”公開 中居氏の「嫌な思いをさせちゃったね。ごめんなさい」の返事が明らかに
週刊ポスト
参政党の神谷宗幣・代表(時事通信フォト)
《自民・れいわ・維新の票を食った》都議選で大躍進「参政党現象」の実態 「流れたのは“無党派層”ではなく“無関心層”」で、単なる「極右勢力の台頭」と言い切れない本質
週刊ポスト
苦境に立たされているフジの清水賢治社長(左/時事通信フォト)、書類送検された山本賢太アナ(右=フジホームページより)
“オンカジ汚染”のフジテレビに迫る2つの危機 芋づる式に社員が摘発の懸念、モノ言う株主からさらに“ガバナンス不全”追及も
週刊ポスト
24時間テレビの募金を不正に着服した日本海テレビ社員の公判が行われた
「募金額をコントロールしたかった」24時間テレビ・チャリティー募金着服男の“身勝手すぎる言い分”「上司に怒られるのも嫌で…」【第2回公判】
NEWSポストセブン
妻とは2015年に結婚した国分太一
「“俺はイジる側” “キツいイジリは愛情の裏返し”という意識を感じた」テレビ局関係者が証言する国分太一の「感覚」
NEWSポストセブン
衝撃を与えた日本テレビ系列局元幹部の寄付金着服(時事通信フォト)
《24時間テレビ寄付金着服男の公判》「小遣いは月に6〜10万円」夫を庇った“妻の言い分”「発覚後、夫は一睡もできないパニックに…」
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一
【スタッフ証言】「DASH村で『やっとだよ』と…」収録現場で目撃した国分太一の意外な側面と、城島・松岡との微妙な関係「“みてみぬふり”をしていたのでは…」《TOKIOが即解散に至った「4年間の積み重ね」》
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居正広と元フジ女性アナの「メール」全面公開ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居正広と元フジ女性アナの「メール」全面公開ほか
NEWSポストセブン