7月場所で優勝を逃した横綱・照ノ富士は、金星を配給せずに場所を終えられるか(時事通信フォト)
先場所も東小結の豊昇龍が9勝6敗、西小結の阿炎と東関脇の若隆景が8勝7敗、西関脇の大栄翔は新型コロナ関連の休場で6勝7敗2休となり、番付が落ちる三役力士がいない状況となった。さすがに西前頭2枚目で優勝した逸ノ城が三役に昇進できないのはおかしいので、どのような扱いになるのか注目されていたが、フタをあけてみると関脇と小結にそれぞれ張り出しが設けられ、1999年初場所以来となる13年ぶりの「3関脇3小結」となった。
「3場所連続の勝ち越しで東前頭筆頭だった霧馬山と、西前頭2枚目で優勝した逸ノ城の番付を上げるための苦肉の策でしょう」(前出・担当記者)
3関脇3小結なら、金星や銀星の“安売り”は比較的、避けられるのかもしれないが、根本的な原因は下位相手でも簡単に星を落としてしまう大関陣にあると言えるだろう。先場所は正代が勝ち越してカド番を脱出したが、御嶽海はコロナ関連の途中休場による番付据え置きでカド番の戦いが続く。
また、“照ノ富士キラー”の玉鷲が東前頭3枚目に控え、勝ち越しに王手をかけながらコロナ関連の途中休場となった琴ノ若も東前頭2枚目にいる。部屋から感染者が出て全休した元大関の高安は西前頭4枚目。先場所、中日まで2敗で優勝レースを引っ張っていた翔猿や錦木、大関に土をつけた宇良、若元春も平幕上位にいる。
三役より勢いがありそうな平幕力士の活躍で、今場所も波乱の土俵が続くのだろうか。