カビが生えるケースも
尿漏れは涼しくなるこれからの季節に要注意だという。
「寒くなると神経が過敏になるので、暑い時期より尿漏れは増えるでしょう」(新村氏)
これから年末に向けて忘年会など飲酒機会も増えるが、そこでも気をつけたい。
「お酒は神経を麻痺させ、気分を高揚させるので、尿意をうまく制御できず粗相に繋がる可能性もある。尿漏れに悩む方は酒量を控えめにしてほしい。尿意が強い時には尿道括約筋につながるお尻周りの筋肉を意識して締め、トイレに行く必要があります」(同前)
尿漏れは別の不快感を伴うこともあると新村氏。
「尿漏れが慢性化すると、陰部がかぶれてしまいます。尿は皮膚に対して刺激的なので、炎症になりやすい。薬を塗ってもなかなか治らない人、湿疹を起こしてカビが生えてしまう人もいます」
一度、尿漏れを経験してしまうと、トイレ事情はストレスになる。
「この悩みを持つ人のなかには、食事が喉を通らない、不眠の症状を訴える人がいる。もちろん、精神衛生上もよくありません」(新村氏)
尿漏れを避けるため、新村氏は次のようにアドバイスする。
「まずは冷えを防止することで、尿意を抑制してください。服装などでうまく体温を調節し、冷たい椅子には敷物を敷くなどの工夫をしましょう。
辛いものやカフェインなどの刺激物を避け、お酒はほどほどに。水分補給は大事なことですが、飲みすぎると排尿回数が増えるので適量にしてください。また、トイレは慌てずゆっくりと。出し終わったと思ったら陰茎の付け根あたりをゆっくり押し、中に残っている尿をしっかり押し出します」(同前)
切迫性尿失禁の根本の原因である前立腺肥大症や過活動膀胱を薬で治療する方法もあるので、クリニックを受診することも大切だ。
ワイドショーで忌憚ない物言いをし、溌剌とした印象のテリー伊藤も尿の悩みを抱える1人だ。男性更年期障害の影響で、数年前から頻尿に悩まされているという。「年を取れば体にガタが来るのは当たり前だから、うまく付き合っていく必要がある」と週刊ポスト(8月19・26日号)で語り、最近は、紙パンツを着用していることも明かした。
新村氏が解説する。
「紙パンツを使うことで尿漏れの不快感が減り、かぶれなどの皮膚炎も予防できる。尿漏れに悩む患者には全員に紙パンツの使用を促しています。安くて性能のいい紙パンツもあるので、使ってみてほしい」