朝食には、シナモン、ターメリック、コリアンダーをブレンドした「スパイス入りプレーンヨーグルト」を欠かさない
「『やせなさい』とか『コレステロール値を下げなさい』といった健康指導はほとんどがアメリカ由来です。しかしアメリカ人の1日の平均摂取カロリーは約3800kcalで、日本人は約2400kcal。1日平均の肉摂取量もアメリカ人は300gで、日本人は100gです。
おまけにアメリカ人は肥満が多く、死因の1位は心疾患。しかし、やせ体質の日本人はがんで死ぬ人が多い。疾病構造や食生活がまったく違うのに、アメリカ型の健康法をまねするのはバカげています」
数値のコントロールと、健康や寿命の相関関係を否定するような調査もある。心臓疾患系の危険因子を抱える男性約1200人を15年間追跡したフィンランドの研究では、「高血圧対策の投薬や生活指導の介入を行った群」の方が「何もせずに様子を見守った」群よりも、死亡率や心疾患死亡率が高かったという。
「これまでの30年にわたる臨床経験を振り返っても、高血圧や高血糖そのものよりも、薬や生活指導が与える心理的ストレスの方が体に悪いと感じます。
そもそも日本では投薬や治療によって血圧や血糖値を下げることで死亡率が下がったり、病気が減ることを示す大規模な比較調査がない。“節制や治療をする、しない”で寿命が変わるかどうかは、本当のところわからないということ。だからぼくが毎日ワインを飲んで気ままな食生活を送るのは、どちらが正しいか確かめるための、自分の体を使った“人体実験”でもあるんです」
【プロフィール】
和田秀樹(わだ・ひでき)/1960年6月7日、大阪府出身。東京大学医学部卒業後、東大医学部附属病院精神神経科、高齢者専門の浴風会病院、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローなどを経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。30年以上にわたり、高齢者医療の現場に携わる。
撮影/田中智久
※女性セブン2022年9月22日号
朝食はおにぎりや惣菜パンなど日によって異なる(写真/ゲッティイメージズ)
夕食は外食またはデパートなどで惣菜を買ったりレストランを利用する中食。ワインに合わせて肉か魚を選択する。仕事がすべて終わった後、午後10時頃から食べる