駅員の制服コスプレで周囲の人にわざと錯誤させる困った人も(イメージ)

駅員の制服コスプレで周囲の人にわざと錯誤させる困った人も(イメージ)

 この手の人は、テレビ局以外でも例えばレコード会社近くのカフェや出版社近くの飲食店にも現れることがあった。業界人気取りだけならかわいいが、一歩間違えば、大きなトラブルに発展しかねない。「コスプレ」の人も同様で、新たな事件に発生しそうなことも起きている。

「数人でさっと規制線をくぐって行かれたので、てっきり本部の人かと思ってそのままにしました。でも、スーツ姿の無関係のおじさんだったんです」

 こう話すのは、関東在住の現役警察官・小松豊明さん(仮名・30代)。小松さんは当時、ある事件の現場に出動し、現場を囲むように警察が張った規制線テープのそばで見張りを行っていたのだが、そこに現れたのは、スーツ姿の警察本部のお偉方。敬礼をしつつ、規制線を持ち上げてお偉方を案内したが、入っていった数人の中に、警察とは無関係のスーツ姿の男が紛れ込んでいたというのである。

「黒いスーツ姿にオールバックで鋭い眼光、警察本部の人だろうと誰も疑いませんでしたが、規制線内で”あいつは誰だ”となったらしくて、慌てて規制線外に出しました。刑事っぽい格好をして現場をウロウロする一般人、記者のフリして周辺住人に聞き込みをする一般人もいます。早めに気がついたからよかったものの、別の犯罪が発生する危険性もあり、本当に驚きました」(小松さん)

 刑事や記者のコスプレは「一般的なスーツスタイル」とほとんど変わらず、その見極めも難しいのだという。また最近では、事件や事故現場にYoutuberと思しき人が現れることも多々あるというが、テレビや新聞のカメラマンとほとんど同じような見た目をしており、一般人か報道関係者か、そして警察関係者かの見極めも難しくなっていると話す。警察としては一般人が警察官の制服などを着て街を歩くことで「フリ」をしているのであれば軽犯罪法に抵触する恐れもあるが、制服を使ったなりすましコスプレイヤーは鉄道やバス界隈にも存在するという。

「鉄道マニアと言えば、撮り鉄に乗り鉄、駅や車内のアナウンス音が好きな方と様々いらっしゃいますが、制服がすき、という方もいる」

 都内の準大手私鉄に勤務する森岡彰子さん(仮名・30代)も、迷惑ななりすましコスプレイヤーに頭を悩ませる一人。

「弊社のものではないのですが、弊社の制服にとてもよく似た、地方にある私鉄会社の制服を着て、一日中駅構内や駅の周辺をうろつく男性がいます。男性は以前、ホーム上で列車運行の妨害をしかけたこともあるんです」(森岡さん)

 森岡さんによればこの男、界隈では有名な「鉄道制服マニア」とのことで、外出時には必ず方々の鉄道会社の制服を着用しているのだという。さらに、森岡さんが勤める駅のホーム上で、客の交通整理などを勝手に行う、車掌や運転手の交代時に横に佇み会話に割り込むなどして、列車の運行に障害をきたす恐れもあったというから笑えない。

 このように、至る所に「なりすましコスプレイヤー」が出現しているというが、もちろんコスプレ自体が悪い趣味というわけではない。ただ、なりすますことで、他人に誤解を与えたり、迷惑をかけてはいけないという単純な話に過ぎないのだが、彼らには当然罪の意識がないか、あっても希薄である。自身の達成できなかった願望や夢を叶えたい、と思うがあまりに周囲が見えていないのか。大きなトラブルに発展しないことを祈るしかない。

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