性行為または性行為類似行為での感染が主ですから、パートナーも一緒に治療することが必要で、家族にも感染した場合には家族一斉に治療しないと、再感染する可能性があります。
治療中には患者に白い下着をつけてもらい、ケジラミの赤黒い血糞が付くかどうかを観察することもあります。また、治療の1つに剃毛もありますが、毛深い男性は薬剤での治療を徹底する方が効果的でしょう。最近、私の周囲で全身脱毛をする男性が多いのですが、彼らは“きれいな男子”を目指しているだけで、ケジラミ症とは関係ないそうです。
【プロフィール】
岡田晴恵(おかだ・はるえ)/共立薬科大学大学院を修了後、順天堂大学にて医学博士を取得。国立感染症研究所などを経て、現在は白鴎大学教授。専門は感染免疫学、公衆衛生学。
※週刊ポスト2022年9月16・23日号