山本耕史の魅力を語ったタレントの麻木久仁子
物語は終盤に差し掛かっているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。9月11日放送の第35話では、ついに主人公の北条義時（小栗旬）とその父・時政（坂東彌十郎）との対立が明らかになった。
騒動の渦中にいる畠山重忠（中川大志）を含め、毎週のように御家人やその親族が”粛清”される展開が続いている。その中で、義時の盟友として暗躍し続けているのが三浦義村（山本耕史）だ。したたかで計算高く、本当に義時の味方なのかすら定かではないような、含みのある演技が好評を呼んでいる。
歴史に詳しく『鎌倉殿の13人』の大ファンだというタレントの麻木久仁子は、義村の”勝負勘”に圧倒されているという。
「山本耕史君が演じている三浦義村は、人を食ったような感じで権力闘争を生き残っていくじゃないですか。殺されずに済むための振る舞いを見事に当て続ける。『こっちに来い』といろんな人に何度も声をかけられても、これはヤバそうだって判断したらスッと身を引く。絶対、負けるほうには張らないんだよね。基本は親友の義時を信じてるって言うんだけど、義時との友情というよりも、自分が生き残るための最善手をパッパッと選んでる感じがして。私は凡人だから、こんな権力闘争のなかにいたら絶対勝てっこない（笑）」
これまでにも、幕府から追放され復讐に怒る第二代将軍・源頼家（金子大地）に「華々しく散るのも悪くないかもしれません。おやりなさい」と義時への復讐を勧めながら、いざ助力を頼まれると「お断りします」とあっさり拒否するなど、考えの読めない独特の存在感を放っている。
「義村が実際に歴史上で判断を間違っていたら、義時だってどこかでコケてたかもしれないと思う。要所要所で義村と義時の“内通シーン”があるじゃないですか。あそこで義村は毎回的を射たことを言ってる。第35回で、義時の第3の妻・のえ（菊池凛子）の”悪女”ぶりを初対面で見抜いたのもそうですよね。
この後、歴史上では実朝（柿澤勇人）が暗殺されるけど、これには義村黒幕説とかいろんな説があるんです。そこで義時と一緒にやるのか、義時と義村の間にも対立や謀略が生まれるのか。本当に楽しみですね」（麻木）
歴史上ではこの後、頼家の後を継いだ第三代将軍・源実朝が、頼家の次男にあたる公暁（寛一郎）に暗殺されるという大事件が起きる。この公暁の乳母夫にあたるのが義村であり、義村が公暁に暗殺をけしかけたのではという考察も存在する。
じわじわと存在感を高めている「山本義村」。この男が誰につくのかに着目すると、ドラマが一層面白くなる。
