「今一番信用できる新聞は世界日報だ」
真相はなお解明の余地があるが、この講演の頃から、旧統一教会側は川崎市議個々への浸透を深めていったようだ。
元川崎市議会議長の松原成文・市議は2016年から2018年まで旧統一教会の“機関紙”「世界日報」を購読、税金を原資とする「政務活動費」から3万536円を支払っていたことが確認できた。
どんな経緯で購読したのか。
「著名な政治評論家の方が、『今一番信用できる新聞は世界日報だ』と言っていて、それでどういうものかと思って取ってみたんですが、偏っている、右寄りの新聞であったけれども、自主的に取りました。しかし、今は購入していないし、政務活動費で払っていますからいろんなご意見をいただくと思うので、その分の金額を自費で市に返還しようと考えています」(松原氏)
自民党川崎市連の広報副委員長を務める山田瑛理・市議は昨年4月、政務調査費から旧統一教会の関連団体「東神奈川平和大使協議会」の勉強会に会費1000円を支出していた。
地元のNPO「国民の健康と生活を守る会」が政務活動費の領収証を情報公開請求して判明したが、山田市議は「かながわ自民党未来カレッジ」1期生で2019年の市議選で初当選したばかり。新人議員も取り込まれていることがうかがえる。
情報公開請求したNPO代表の金屋隼斗氏は、「新人議員まで旧統一教会と接点を持っていたというのは、自民党川崎市連に教団とつながる土壌ができているということではないか」と見ている。
川崎市連を通して山田市議に事情を聞くと、「一般的な勉強会参加と同様の認識であったため、政務活動費に計上した。参加費は、昨今の社会情勢に鑑み返還している」と答えた。
※週刊ポスト2022年9月30日号