96才で亡くなったエリザベス女王(時事通信フォト)
真っ当なコメントを連発
だが今回、『スーパーJチャンネル』で英国王室の専門家として呼ばれたハリーは、ユニオンジャックを模したジャケットで登場。国葬の第一報ということもあったのだが、ゴシップ的なコメントを一切せず、「基本的に時間にタイトではないイギリス人だが、今日の葬儀は、時間通りに執り行われるはず」とか、「女王がもたらした国家の安定が伝わってきました」「自身のバックグラウンド問わず、老若男女、すべての人から女王に対する愛とリスペクトが感じられる」などと真っ当なコメントを連発していた。
改めてプロフィールをひもとくと、母語は英語で、中国語、フランス語、日本語が堪能。韓国語の勉強もしているという。ウィンチェスター・カレッジ卒業後、イギリスから帰国し、投資銀行に勤務しながら大手化粧品会社の広告やハイブランドのファッションショーに出演。その後、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院で中国語を専攻し、北京師範大学に留学、「駐日英国大使館 食の親善大使」にも任命されている。繰り返しになるが、こうした華々しいキャリアについて、現場で彼の口から聞いたことは一度もなかった。
事務所の方針や本人の志向もあるのだろうが、これまでは“能ある鷹は爪を隠す”ともいえる場面が多かったハリー杉山。だが、今回の『スーパーJチャンネル』への出演は、彼の仕事を確実に増やすことになったのではないか。取り急ぎ、デーブ・スペクター氏には「新たなライバルの出現」を伝えておきたい。
◆山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ~テレ)、『アップ!』(同)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)などに出演中。CM各賞の審査員も務める。