日本人は炭水化物の代謝が得意
お酒を飲みすぎて脂肪肝になると、インスリンの効き目が悪くなる。さらに、あふれた脂肪は内臓脂肪として蓄積される。せっかく糖質を代謝する能力が高いのに、深酒すると、宝の持ち腐れになってしまうというわけだ。
日本ではいまや成人男性の3分の1、成人女性の5分の1が脂肪肝ともいわれる。お酒のほか、脂質の多い食べ物や果糖にも気をつけた方がいい。医学博士で管理栄養士の岩崎真宏さんが言う。
「日本人で太っているのは、甘いジュースをよく飲む人です。ジュースや果物に多く含まれる果糖は、米などの糖質とは違って、インスリンの分泌を促進しません。そのため、糖質ほど筋肉に取り込まれず、摂りすぎると内臓脂肪として蓄積されやすいのです」(岩崎さん)
果物は一見ヘルシーに思えるが、日本の果物は海外のものとは違い、より甘くなるよう品種改良されているため、果糖の量も多い。そのため、果物も食べすぎれば内臓脂肪を増やすことにつながる。また、日本人は欧米人やアフリカ人と比べると、筋肉がつきにくいのも弱点だ。
「欧米やアフリカの人は、内臓を筋肉で支えることができます。一方、日本を含むアジア人は筋肉がつきにくいため、重力で内臓が落ちてくるのを支えるために脂肪が必要なのです」(奥田さん・以下同)
こうした背景もあり、東アジア人はほかの人種と比べると脂肪がつきやすく、高血圧や糖尿病になりやすい。
「“病気のなりやすさ”は、生まれつき遺伝子によって決まっている部分があります。ですが、実際にその病気を発症するかどうかは、その後の後天的な遺伝子変異や生活習慣に左右される。病気のなりやすさという“遺伝子のスイッチ”が入るかどうかは、生まれてきてからの要素が大きいのです」
※女性セブン2022年10月20日号
“病気のスイッチ”が入る仕組み
これが正解!日本人のためだけの健康法