“交番での情事”は発覚しやすいという(イメージ)
交番は“手軽にできる”場所
19歳から1年間の交番勤務を経て地方警察署の地域課に勤務していた元警察官の吉野千夏さん(仮名、48)も、警察組織特有の上下関係が、警察官同士の不倫を生みやすいところがあると語る。
「私がいた時代は特に女性警察官の立場は弱かった。週に1回の柔道の稽古では組み手で締め付けると見せかけて身体を過剰に密着されたこともあります。月に2回ほどある飲み会では無理やりキスされそうになったり、抱きつかれたりが日常茶飯事でした。
そんななかで既婚の30代後半の巡査部長から『外で会おう』と誘われて食事をして、2回目に呼び出された時は当然のようにホテルに誘われました。先輩から言われたことを断われる雰囲気は一切なく、言われた通りにするのが当たり前でしたから、そういうものだと受け入れていました。ただ私の場合は、職場の飲み会で後ろにいた警察官に衣服を無理やりおろされて……それがきっかけで警察を辞めたので、不倫関係も長くは続きませんでした」
退職後、千夏さんはセクシー女優に転身し、現在は主婦になっている。その千夏さんから見ても、警察官の不倫カップルが交番で性行為をするケースが増えていることは想像がつくという。
「女性警察官が他の男性警察官と同じように夜勤や交番勤務をする時代になったなら、交番は“手軽にできる場所”になるでしょう。警察官からしてみれば交番は日常的にいる場所で、休憩室があって、そこに一般人が立ち入ることがない。上下関係が厳しいから、交番に他の警察官がいても口止めしやすい。
警察官は普段から柔道などで鍛えていてエネルギッシュですし。決して給料的に恵まれているわけではないので、ホテル代を節約できるという面もある。不規則な勤務形態のなかで、ものの5分くらいで済ませることができる……というのはあると思います」
もっとも甘い誘惑には棘もある。“交番での情事”は発覚しやすいのだ。前出の小川氏は言う。
「当然、周りの正義感ある同僚が密告することは多い。さらに職務上の権限を利用して関係を持っていた場合や、不倫関係がこじれたりした場合は、どちらかが誰かに相談したりすることでも発覚する。そうなると処分は免れません」
そのスリルさえも、交番での情事をやめられない理由なのか。
※週刊ポスト2022年10月21日号