芸能

元たま・石川浩司が語る“人生を変えた1年”「イカ天5週勝ち抜きの秘密」「今もギリギリ食えています(笑)」【前編】

(写真/横田紋子)

ランニング姿で登場した石川さん(写真/横田紋子)

 ランニング姿で陽気な表情を見せる彼の名は石川浩司(61)さん。1990年代に活躍したバンド『たま』では、ボーカルとパーカションを担当していた。たまは1989年に放送された深夜番組『三宅裕司のいかすバンド天国(以下、イカ天)』(TBS)に出演し、翌年には『さよなら人類』の大ヒットで紅白にも出場。そのたまの軌跡を漫画化した『「たま」という船に乗っていた』(双葉社)は、今年7月に発行されるやいなや『王様のブランチBOOKRANKING』(TBS)で3位にランキングされるなど、今も変わらぬ人気ぶりを見せた。

 今回は、『「たま」という船に乗っていた』の原作者でもある石川さんに、当時のエピソードを語って貰った。【前後編の前編】

たまファンが、たまのエピソードを漫画化

たま時代のエピソードを語る石川さん(写真/横田紋子)

たま時代のエピソードを語る石川さん(写真/横田紋子)

──たまの軌跡を漫画化されたきっかけは何でしたか?

「たまは2003年に解散したんですけども、色々と面白い話があるので“文章で書き残した方がいい”って思ったんです。解散した翌年の2004年に漫画の原作となる本を出版しました。この原作本を読んだ漫画家の原田高夕己さんから連絡が来たんです。彼はたまのファンで、漫画として描きたいと言ってきた。最初は出版社も決まっていなくて、twitterで連載し始めたんですね。そこから発売が決まりました」

──漫画の中には『イカ天』に出演された日付など正確に書かれていますが、どのようにして調べたのですか?

「みんなで総力を挙げて調べました。特にアマチュア時代の資料はそんなに残ってないんですよね。当時はネットもなかったので記録がない。僕の日記や、昔のファンが持っていたチラシを照らし合わせたりしました。でもそこでも食い違っていることが合ったり……(笑)。本当に100%正解かどうかわからないんですけど。ほぼ事実だろうということが書かれています」

──1990年代に社会現象となった『バンドブーム』などの世相を知る上でも、資料的な価値がありますね。

「僕ら『ホコ天』(注:1990年代、原宿の歩行者天国ではバンドが自由に演奏していた)には出ていないし、結局バンドブームとは全然関係ないところにいた感じがしますね。たまは全員がソロシンガーだったんです。それがバンドごっこをやっているうちにバンドになっていった。いわゆる“バンドが流行っているからバンドをやってみよう!”っていう感じではなかったですね(笑)」

──たまのメンバーには内容の確認はされているのですか?

「最初の原作本を出した時に、知久(知久寿焼・たまのボーカル、ギター)と滝本(滝本晃司・たまのベース)には原稿をチェックしてもらっているんです。今回、漫画化するにあたってメンバー3人にもちゃんと許可をもらっています。でもわざわざメールで感想を送ってくるような人たちじゃないので、どう思っているかわからないけど(笑)」

──漫画の中では、奥様になられたR嬢さんとのエピソードも描かれています。奥様からの反響はどうでしたか。

「彼女とは『イカ天』に出る前に結婚しているんです。結婚した時は、妻は“この人はずっとアマチュアでバンドをやっているんだろうな”って思っていたはず。当時はバイトで10万円ぐらいの収入しかなかったし、向こうは僕の2倍か3倍は給料をもらっていた。だから半分ヒモ気分でいましたよね(笑)。それが、『イカ天』に出てガラッと変わっちゃったんですよね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
(撮影/田中麻以)
【高市早苗氏独占インタビュー】今だから明かせる自民党総裁選挙の裏側「ある派閥では決選投票で『男に入れろ』という指令が出ていたと聞いた」
週刊ポスト
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
タイと国境を接し、特殊詐欺の拠点があるとされるカンボジア北西部ポイペト。カンボジア、ミャンマー、タイ国境地帯に特殊詐欺の拠点が複数、あるとみられている(時事通信フォト)
《カンボジアで拘束》特殊詐欺Gの首謀者「関東連合元メンバー」が実質オーナーを務めていた日本食レストランの実態「詐欺Gのスタッフ向けの弁当販売で経営…」の証言
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
戸郷翔征の不調の原因は?(時事通信フォト)
巨人・戸郷翔征がまさかの二軍落ち、大乱調の原因はどこにあるのか?「大瀬良式カットボール習得」「投球テンポの変化」の影響を指摘する声も
週刊ポスト
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン