玉川氏と女性のツーショット
玉川氏と同じ京大出身で、『スーパーモーニング』(テレ朝系)で共演していたジャーナリストの鳥越俊太郎氏が語る。
「この番組で玉川の社内的な肩書きはディレクターでしたが、レポーターだけでなく、政治的なテーマや話題になっていることを取り上げてフリップで解説する役をやるようになった。テレビ局でディレクターなのにコメンテーターのようなことをやるのはあり得ないので、それをやれる彼の能力と、それを許すテレ朝の両方にびっくりしました。政治的なテーマを自ら探してきてフリップを工夫してわかりやすく話すのが彼の特徴で、そこから始まったのです」
裏方のディレクターが“出役”に回るのは「前代未聞だった」と語るのは、テレ朝で同じ番組を担当したこともあるテレビプロデューサーの鎮目博道氏だ。
「『スーパーモーニング』で同じ班にいたのが“伝説の視聴率男”として恐れられていた先輩の玉川さんでした。はじめは現場からレポートしたり、スタジオで自分が取材したVTRを解説する形で出ていました。すると彼が出た部分だけすごく視聴率が上がるので『スタジオに出すと視聴率が取れるぞ』となり、時々スタジオに出演するという独自の地位に。そこでもあまりに視聴率が取れるから番組を改編する時にいっそレギュラーにしようとなったそうです」
当初は「テレビ朝日課長 玉川徹」というテロップでスタジオ出演していたこともある玉川氏だが、視聴率を味方にコメンテーターとしての地位を確立していった。2015年、週1で出演していた番組が現在の『モーニングショー』にリニューアルしたのを機に、玉川氏は毎日出演するようになる。
「帯の大きな番組のレギュラー出演者はプロデューサーレベルで決められることではないので、局のトップ、テレ朝でいうと早河洋会長も了承しているということでしょう。報道部署には解説員室やコメンテーター室があり、そこにいる局員でレギュラーのコメンテーターは全員が元記者で、政治や外報など専門分野があります。
玉川さんの場合、記者経験はない。そういう意味で本来ならコメンテーターになる人ではないので、彼だけオンリーワンな特別扱いと言えるでしょう」(鎮目氏)
※週刊ポスト2022年10月28日号