工藤阿須加は東京農業大学出身
この番組のポイントは、工藤自身が東京農大出身で昨年から本格的に農業を始めちゃいました俳優であることだ。道理で長靴の靴さばき(という言葉があるかは知らないが)がうまいわけである。そして、初冠番組という工藤は、『家売るオンナ』など出演作でもまじめで不器用な人物を演じることが多いが、畑でも雰囲気はそのまま。ねぎに欠かせない「土寄せ」の専用機の扱いが難しいと汗をかき、採れたてのオクラが美味しいと目を見張る。素直過ぎるリアクションもまたこの番組の味なのだ。
作業の合間に巧みに笑えるトークを入れる児嶋、ほぼ素で語る工藤。タイプは違うが、どちらも農家の人たちの思いや技を引き出す。親子、夫婦、仲間、農業の現実や後継ぎ問題、自然相手の泣き笑いなどほろっとくる話もいろいろある。
収穫した作物を使った「農家飯」やドローンによって映し出される整然とした畑の美しさや解放感も農業番組ならではだ。
コロナ禍、自宅で料理する機会が増え、食材についての関心は高まった。今年はタマネギなどの野菜価格の高騰に困ったりもした。家庭菜園をする人も増えているという。農業は食育、SDGsといったテーマにも直結する。農業番組の収穫は大きい。