子供の肥満度は、幼児用と学童用の「身長体重標準曲線」グラフ(男女別)で、身長別の体重から大体把握できる
表は都道府県別「肥満傾向児出現率」だ。これを見ると、東北勢など北日本の道県が上位にくる傾向が見て取れる。
「肥満に関する調査では、日本の北と南に位置する道県の肥満度が高く、中央部にある都府県の度合いが低い傾向が以前からありました。
たとえば、東北は昔から肥満率が高く、その要因として、雪や寒さで運動しにくい環境が挙げられてきました」
子供の肥満の判定法は?
大人の肥満度はBMI(体格指数)で計算するが、子供の肥満は、標準体重に対し実測体重が何%上回っているかの肥満度で判定する。計算式は、〈肥満度(%)=[実測体重(kg)—標準体重(kg) ]÷標準体重(kg)×100〉。幼児(1〜6才)では、肥満度15%以上が「太りぎみ」、20%以上が「やや太りすぎ」、30%以上が「太りすぎ」とされる。学童(6〜17才)では、肥満度20%以上が「軽度肥満」、30%以上が「中等度肥満」、50%以上が「高度肥満」とされる。「計算式が複雑なので、標準体重を一般家庭で計算するのは難しい。日本小児内分泌学会のサイトのグラフ【*】で大まかな肥満度を把握するといいでしょう」(大熊さん)。
【* 幼児用と学童用の「身長体重標準曲線」グラフが男女別に掲載されており、肥満度の大まかな目安として活用できる】
【プロフィール】
大熊喜彰さん/小児科専門医として国立病院や大学病院で経験を積み、2019年に『武蔵小杉森のこどもクリニック』(神奈川県川崎市)を開院。「小児の肥満・生活習慣病」外来などを行う。
取材・文/北武司
※女性セブン2022年11月10・17日号
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