稲垣、草なぎ、香取「新しい地図」がスタートして5年過ぎ「＃素晴らしい過去になろう」。タッキー、イノッチへのエールも

　ソロになってから何度もインタビューをしているが、「SMAP時代は他に喋る人がいたので喋らなくて済んでいた」と、それぞれ振り返っていた3人。その言葉どおり、イベントでは本当によく喋り、“自家発電”で場を盛り上げていた。

　2017年9月22日、公式サイトが公開され、「新しい地図」がスタートしてから丸5年が過ぎた。当初は「とてつもなく不安だった」とも3人は口にしていたものである。

　直近で、主演映画『窓辺にて』に関連し、稲垣にインタビューした際も、改めて稲垣は当時のことに触れている。思い出すと、色々な想いが走馬灯のように甦るようだ。

「新しい地図」のスタートは、彼らがSNSを始めたタイミングでもある。稲垣がアメーバブログ、草なぎがYouTube、香取がInstagram、そして3人揃ってTwitterを開設した。「でも、その前からファンの皆さんがSNSで僕らの応援をしてくださっていて“準備”が完璧だったので、それに支えられ、応援され、全員が『やりたい』と思っていたことが、こんなに早くやれていいの？というぐらい短期間で実現できた」と言っていたのは香取だ。

　自身のアート展やアパレルブランドの立ち上げ、ワイン好きの稲垣は料理とのマリアージュに定評があるレストランのオープンに関わり、ギターを抱えた草なぎのソロライブ「はっぴょう会」は今夏2回目が開催。最新のリリースでは、12月7日～来年の1月22日まで、香取慎吾展「WHO AM I －SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR－」の開催が発表された。

　主演映画、主演舞台、主演ドラマも切れ目なく公開されている。草なぎは来年1月、関西テレビ制作・フジテレビ系ドラマに8度目の主演を果たす。『嘘の戦争』に続く“復讐シリーズ”の新作だそうだ。

　テレビCMのオファーも凄まじい。草なぎは今年7月1日に発表された「二ホンモニター2022上半期タレントCM起用社数ランキング」で、嵐の二宮和也、斎藤工、滝藤賢一らと並んで男性のトップに輝いている。

大手スポンサーが関わっていたことで「マル是」に

　そんな中、ファンの皆さんから、感謝の声が挙がり続けているクライアントがサントリーグループだ。

　2018年2月、サントリービール（株）が全国でリニューアル新発売したノンアルコールビールテイスト飲料「オールフリー」のテレビCMに稲垣と香取を起用。二人が背中に翼をつけ、都会の街並みを颯爽と歩きながら「オールフリー」を楽しみ、青空に向かって「生きてるっ！」と叫ぶ、開放感に満ち溢れた作品だった。

　翌3月、都内のスタジオで『伊右衛門』新テレビCM記者発表会に、本木雅弘、宮沢りえと共に登壇したのは草なぎ。当時Twitterには、「新しい地図」の3人をいち早く起用したサントリーグループへのファンの皆さんの感謝の呟きで溢れかえった。

　私にも同様の想いはあったが、それとは別の感情もあった。サントリーグループの心意気を前に、恥ずかしい気持ちになったのである。当時、テレビ界はどうだったかというと「新しい地図」を起用する局はほとんどなかった。どうやって彼らへオファーしていいかもわからない人たちが大半だったことも大きな理由だ。私自身、応援したいという気持ちは人一倍あったものの、何から始めたらいいか、正直わからなかった時期でもある。

　だが、草なぎが登壇したイベントにはCM監督の中島信也氏も同席していて、本木が口火をきり、草なぎの新たな一歩についても、ひじょうにいい空気の中で言及された。中島氏と某CMコンテストで長年、審査員をさせていただいている私は、その場を明るい雰囲気にした立役者の一人、中島氏に対し、感謝の気持ちでいっぱいになった。

　このときの映像は複数のワイドショーが取り上げた。サントリーという大手スポンサーが関わっていたことで「マル是」（当日オンエアするエンタメ関連の項目表に記された「是」という字を〇で囲み、是非ものでオンエアするという意味）になったのだ。

　その後もサントリーグループと「新しい地図」の“いい関係”は続き、2019年、『BOUM！BOUM！BOUM！香取慎吾NIPPON初個展』 は「サントリーオールフリーpresents」だったし、「金麦〈ザ・ラガー〉」に香取、「ノンアルでワインの休日」には稲垣が出演。CMの評判もさることながら、売り上げに大きく貢献している。