国内

日本のハロウィンバカ騒ぎの歴史 2012年に一気に爆発、背景に人気アーティストのMVも

渋谷・ハロウィンのから騒ぎが生まれたのはいつ?

渋谷・ハロウィンのから騒ぎが生まれたのはいつ?

 韓国・ソウルの梨泰院地区で150人以上が圧死した悪夢のハロウィン。これを他山の石として、日本ではハロウィンの自粛ムードが漂うかと思えば、さにあらず。東京・渋谷は相変わらず若者たちでごった返していた。一体誰がこのバカ騒ぎを生み出したのか。

 10月30日の夜21時、東京・渋谷のスクランブル交差点はハロウィンイベントにやってきた人々で溢れていた。カボチャや吸血鬼のような仮装を楽しむ人がいる一方、目を引くのは過激なアニメキャラクターのコスプレやメイド服姿、ほとんど下着姿の女性たち。

「立ち止まらないで!」

 DJポリスが彼らにそう呼びかけ、交通整理に当たるも通行人の多さに手が回らない。どこへ行くでもなく、若者たちが街をさまよう光景はまさに百鬼夜行だった。

 いまや若者の“バカ騒ぎ”の代名詞ともなったハロウィン。約12万人が押し寄せたといわれる渋谷だけでなく、大阪・道頓堀や福岡・天神など全国各地で同様の光景が見られた。

 しかし、こうした騒乱は本来のハロウィンではない。ハロウィンとはケルト人による古代アイルランドを起源とした祝祭。10月31日は死者の霊が帰ってくるとされており、この日に子供が幽霊や悪魔に仮装するのは霊から身を隠すためだという。

 欧米では都市部でパレードが行なわれることもあるが、仮装するのは子供だけの場合が多く、『Trick or Treat』と唱えながら、お菓子を求めて家々を訪ねるのが一般的。大人がコスプレをして騒ぐことはない。

 この異国の文化は、いつしか形や主旨を変え、日本有数のビッグイベントになった。

2012年10月末には〈渋谷のハロウィン超ヤバかった〉

 マーケティングアナリストの原田曜平氏が、日本におけるハロウィン文化の広がりを解説する。

「1983年にキデイランド原宿店が行なったハロウィンパレードや、1997年から川崎駅前で始まった『カワサキハロウィン』が起源との説がありますが、私としては東京ディズニーランドで1997年に行なわれた仮装イベントがブームのはじまりだと考えています。

 その後、海外の文化を知る一部の帰国子女から徐々に広がり、2011~2012年頃に渋谷や六本木で爆発的に参加者が増えた」

 ハロウィンの人気に火が付くと、お菓子メーカーやコスプレ玩具メーカーがハロウィンに乗じてセールを展開。日本記念日協会によると、2011年に560億円ほどだったハロウィンの市場規模は2017年に約1300億円と倍以上に膨れあがった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン