“いい子”には声をかける
また、毎日の晩酌を「今日が最後」と思って飲むようにしています。
飲み友達だった故・青木新門さんの名著『納棺夫日記』に、「死に直面して不安におののいている人を癒やすことができる人は、その患者より一歩も二歩も死に近いところに立つ人」という記述があります。
読んだ時にハッとさせられ、70歳になって思い切って「今日が最後」と覚悟するようにしたら、かえって心がときめいて、健康になった気がします。
好きなお酒や食べ物を無理して抑えて心を悩ませるくらいなら、好きなことをして心を養生させるのが大事だし、私はそうすることで健康を保てています。
それから私の場合、女性と時間を共に過ごすことも心の健康に繋がっている。女性は好きですから、いい子だなと思えば声をかけたりしてね。週3回の勤務の際には、職員や看護師さんらとも楽しく話しています。
セックスへの興味や欲はもうありませんが、女性と話したり、一緒に飲んだりするのは相変わらず好きです。そうした異性への恋心は生きる活力になっています。
江戸時代の儒学者・貝原益軒は『養生訓』で「人生の幸せは後半にあり」と書いています。50歳以降が本当の人生だという。江戸時代のことですから、現代なら70代、80代以降でしょう。その歳になって体力が衰えると出かけたりする機会が減るものですが、そうした中にあっても、楽しみを見つけて心を養生することが、健康を保つために必要です。
私はこれから90代に向かいますが、ホリスティック医学も道半ばだし、相変わらず酒も美味いし、女性も好きでいられる。90歳を過ぎてもこの調子でやれたらと思います。
※週刊ポスト2022年12月2日号