国際情報

北朝鮮のICBM実験に金正恩朝総書記の娘が登場した意味 後継者問題も示唆か

金正恩朝総書記が娘と共に現れた真意とは

金正恩朝総書記が娘と共に現れた真意とは

 北朝鮮の国営メディアは11月中旬、最新の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験に関する報道で金正恩朝鮮労働党総書記が娘の手を引いて、発射実験を現地で指導している2ショットの写真などを配信した。これについて、北朝鮮の元高官は、娘が「金氏の後継者」であり、北朝鮮が「世代を超えて核国家となる」ことを示すシグナルだとの見解を明らかにした。英国の北朝鮮関連ニュース専門の独立系ニュースサイト「NKニュース」が報じた。

 北朝鮮最大のICBMである火星17号の発射実験成功は、11月12日付の党機関紙「労働新聞」の第1面から第3面まで3ページを占め、金氏が「愛する娘と妻とともに」発射実験を現地で指導したなどと具体的に報じている。

 金氏の子供についてはあまり知られていないが、この少女は第2子の「ジュエ」という名の娘だとされる。 米国の元プロバスケット選手のデニス・ロッドマンが2013年に訪朝し、金氏の別荘を訪問した後、金氏が娘の存在と名前について明らかにしている。

 北朝鮮の元高官の脱北者はNKニュースに対して、「彼女の血統のおかげで、家父長制の強い北朝鮮の男性優位の指導部に女性が入ることの障壁を克服することができるだろう」と指摘。そのうえで。同氏は「金氏が彼女の手を引いて、北朝鮮にとって最重要なICBM発射実験に立ち会ったということは、金氏が彼女を後継者として考えていることを示している。このため、彼女は金氏の妹である金与正氏とは違う方法で、国の指導者として国民から受け入れられるだろう」と語っている。

 金氏の娘が核戦力の強化を目的とした実験に初めて登場したことは北朝鮮の今後の後継体制についても大きな意味を持ちそうだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン