1993年、35歳の若さでヴェルディ川崎の監督に就任した当時の松木安太郎氏(Getty Images)
直近の11試合で1試合平均1.9回
それが、コスタリカ戦前までの直近の代表解説11試合を調べると、「いいボール」と叫んだ回数は、如実に少なくなっている。
【※以下、上段は横から日付、大会名、対戦相手、勝敗、スコア。下段はいいボールの回数。本当にいいボールなら正解の○、そうでなければ不正解の×、微妙な場合は△と判断。選手名は「いいボール」の出し手。『結果論いいボール』は除く】
2019年10月10日 W杯アジア2次予選 モンゴル戦 6対0
1回(1勝0敗0分) 前半10分:○伊東純也
2019年10月15日 W杯アジア2次予選 タジキスタン戦 3対0
2回(1勝1敗0分) 前半47分:×CK中島翔哉、後半5分:○数人のパス回しの間(速かったため、誰に「いいボールだ!」と言ったのか不明だが、本当にいいボールの連続だった)
2020年1月9日 AFC U-23選手権 サウジアラビア戦 1対2
1回(0勝0敗1分) 前半11分:△橋岡大樹
2020年1月12日 AFC U-23選手権 シリア戦 1対2
0回(0勝0敗0分)
2020年1月15日 AFC U-23選手権 カタール戦 1対1
2回(2勝0敗0分) 前半13分:○田中駿汰、21分:○相馬勇紀
2021年3月29日 U-24代表アルゼンチン戦(BS朝日で解説)3対0
2回(1勝0敗1分) 前半9分:○久保建英、後半20分:△FK久保建英
2021年9月2日 W杯アジア最終予選 オマーン戦 0対1
5回(1勝3敗1分) 前半30分:△酒井宏樹、37分:×CK鎌田大地、後半9分:○酒井宏樹、12分:×古橋亨梧、後半40分:×FK久保建英
2021年10月12日 W杯アジア最終予選 オーストラリア戦 2対1
1回(1勝0敗0分) 後半8分:○田中碧
2022年1月27日 W杯アジア最終予選 中国戦 2対0
0回(0勝0敗0分)
2022年2月1日 W杯アジア最終予選 サウジアラビア戦 ○2対0
3回(2勝1敗0分) 前半28分:×長友佑都、30分:○酒井宏樹、後半3分:○大迫勇也
2022年3月29日 W杯アジア最終予選 ベトナム戦 △1対1
4回(1勝2敗1分) 後半11分:×伊東純也、31分:△CK伊東純也、36分:○伊東純也、42分:×CK伊東純也
最終予選初戦のオマーン戦は勝利を確実視されていたが、日本は得点を奪えず、後半43分に先制点を許して敗れた。松木氏は膠着状態の焦りからか「いいボール」を5回と乱発したが、近年にしては珍しく精度が低く、試合も敗れた。ベトナム戦も4回叫びながら本当にいいボールは1回のみだった。
ただ、その2戦を含む直近11試合で「いいボール」は21回、1試合平均1.9回に留まっていた。本当にいいボールかどうかの結果は、10勝7敗4分で勝率5割8分8厘。一見、精度が高くないように感じるが、乱発したオマーン戦とベトナム戦を除けば9試合で12回、1試合平均1.3回叫んで8勝2敗2分、勝率8割に上る。シリア戦や中国戦では1回も言わないという事態まで起こった。そして、今回のコスタリカ戦でも2回しか口にしなかった。