森山裕衆議院議員が語る「日本の食を支える鹿児島の和牛」
「今大会での鹿児島の活躍はJAなどを中心に、各農家さんと緊密な連携をとって生育、改良に力を入れていることが結果につながったのでしょう。牛が産気づいたら慌てて牛舎に行って、30kg以上ある子牛をとりあげていた昔とは違って、令和の時代では発情も出産も緻密なデータで管理されています。牛にとっても飼育農家さんにとっても安全なお産ができることは、質のよい牛をたくさん生ませて育てられるということです。
また、鹿児島黒牛のおいしさの理由にはなんといっても、種雄牛の存在があります。県肉用牛改良研究所と民間種雄牛管理者の集まりである県種雄牛協会が一丸となって鹿児島黒牛の改良を進め、銘柄牛の価値を高めてくれています。
種雄牛はこれまで7大会で1位を受賞するなど質はもちろん、姿形という見た目でも高い評価を受けている。これはなにより牛にかかわる人たちの愛情と熱意でしょう。今年の大会でも87才の宮園さんが1位になりましたが、前回の大会(2017年)でも最高の賞を得た鹿児島県の種雄牛を生産したのは80才を超える家族経営の女性でした。彼女は牛をわが子のようにかわいがり、毎日おしりをなでてあげているそうです。そうした最先端の科学だけではない、人と牛の絆のようなものが深いと感じています。
最近は赤身の肉が好まれたりと、時代によって傾向が異なりますが、日本の食卓を支えるよい牛を育てる、という変わらぬ思いでますますの躍進を期待します」