通称・和牛オリンピック「全国和牛能力共進会」ってなに!?
今年で12回目の開催となった全国和牛能力共進会は、全国の優秀な和牛を一堂に集めて、改良の成果やその優秀性を競う大会で、1966年から始まった。6県から99頭が集まって開かれた第1回のテーマは「和牛は肉用牛たりうるか」と、まだまだ牛が食用として広く認知されていなかったことを物語る。
いわゆる繁殖するための牛である種牛(雄牛・雌牛)を姿や形などで審査する「種牛の部」と、脂肪など肉質を審査する「肉牛の部」に大きく分かれ、それぞれ細かな分類があり、全8区+特別区の9つの区がある。
藤山さんが最優秀賞に輝いた第4区は繁殖雌牛群で、雌の種牛が3頭一組で出場し、審査された。宮園さんがトップに輝いた第5区は高等登録群といい母・娘・孫と3代揃っての出場が条件だ。そして、スーパーエリートとなる種牛を育てる鹿児島県肉用牛改良研究所からは、第1区の若雄部門で白浜喜が首席となった。
41道府県・439頭の牛が集まって競った中で、鹿児島県は9区中6区で首席を獲得し、最高の栄誉となる内閣総理大臣賞も受賞。出品肉牛の部門では2大会連続で最優秀枝肉賞を受賞するなど見事日本一となった。
次回の開催地は北海道。和牛オリンピックでは、開催地まで出場する牛が運ばれるが、その輸送方法は陸路となる。広い庫内を確保できるトラックで移動するというが、開催地によってはかなりの長距離を移動する牛たちも。鹿児島県勢も5年後は北の大地を目指し、日本を縦断することになる。
撮影/小倉雄一郎 取材・文/土屋秀太郎
※女性セブン2022年12月15日号