スポーツ

女子ゴルフ最終戦「35オーバー」の西郷真央 “ドライバーイップス”克服に必要なもの

9月頃からドライバーが不調?(時事通信フォト)

9月頃からドライバーが不調?(時事通信フォト)

 女子ゴルフ界を盛り上げた2人の“結末”は非情なほどに対照的だった。今季ツアー最終戦となった「リコーカップ」。優勝を飾ったのは、年間女王を決めていた山下美夢有(21)だった。一方、終盤戦まで山下と熾烈な女王争いを演じたジャンボ尾崎門下生の西郷真央(21)はまさかの最下位。4日間通算で「35オーバー」と大崩れだった。

 試合後、西郷は「ティショットに恐怖がある。振るのが怖い」と吐露。一体、何が起きたのか。

「9月頃からドライバーが不調で、フェードヒッターですが振り切ると右にOBが出るようになってしまった。悩み始めたことで今度はフックになり、そこから段々とほかのクラブにも影響が出た」(ゴルフ担当記者)

 ベテランゴルフ誌記者はイップスを指摘する。

「イップスとはそれまでできていたことが急にできなくなる症状で、精神的なものが原因とされる。西郷は深刻な“ドライバーイップス”の可能性が高い。ゴルフはイップスで苦しむ人が多く宮里藍も米女子ツアー参戦中にドライバーで悩んだ時期がありました」

 宮里は2007年に世界マッチプレーで準優勝したが、この年の後半から、ドライバーに狂いが生じた。

「ティショットが真っ直ぐに飛ばず、飛距離も180ヤードしか出ない。5試合連続で予選落ちして契約メーカーが“藍ちゃん使用モデル”として予定していた新商品のコマーシャルを中止するほどの騒ぎになりました。

 本人も“引退したい”とこぼすようになり、父・優氏と訣別。“パターだけはお父さんに見てもらう”ことになったが、コーチを変えました」(同前)

 復活を遂げた宮里は2009年に「エビアンマスターズ」で初優勝、米ツアー通算6勝を挙げた。今後、西郷には何が必要なのか。プロゴルファーの沼沢聖一氏が語る。

「僕もアプローチで経験がありますがドライバーはプロでは少ない。それに西郷プロはイップスになるようなスイングではないですからね……。ただ体が小さい(158cm)ので飛距離を稼ぎたいと試行錯誤するなかでズレが生じた可能性はある。幸いシーズンが終わってオフに入ります。頭のなかを白紙にして、師匠の言うことを聞いて、素直にやるしかないですね」

 来季の“西郷どん”の奮起に期待したい。

※週刊ポスト2022年12月16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン