芸能

香取慎吾の『くろうさぎ』ほか“闇と光”が凝縮された空間で、心が笑顔になれる

「家の中に『くろうさぎ』がいたんですが、絵に描いたらいなくなりました。初めて『くろうさぎ』が登場したのが2003年のスケッチ。今回初めて立体でつくったこともありますし、これぞ闇という作品です」(香取)

「家の中に『くろうさぎ』がいたんですが、絵に描いたらいなくなりました。初めて『くろうさぎ』が登場したのが2003年のスケッチ。今回初めて立体でつくったこともありますし、これぞ闇という作品です」(香取)

 2018年にパリ・ルーブル美術館で開催された初個展、そして2019年に開催された国内初個展から約3年。香取慎吾の国内2度目となる個展『WHO AMI-SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-』が開催中。

「より香取慎吾の深い部分を見てもらえる」と本人が語るように、200点が一堂に展示され、香取のアーティストとしての活動が凝縮された空間となっている。

 その会場を訪れた自身もアーティストである小野裕人さんに、アーティストの視点から感じた思いを寄稿してもらった。

* * * * *

『想ふ 2021』(c)SHINGO KATORI キャンバスだけでなく、敷いていた段ボールに描きたくなってしまう、と香取。

『想ふ 2021』(c)SHINGO KATORI キャンバスだけでなく、敷いていた段ボールに描きたくなってしまう、と香取。

 まだコロナ以前だった2019年、IHIステージアラウンド東京で行われた『BOUM! BOUM! BOUM! 香取慎吾NIPPON初個展』を鑑賞した時、絵画の個展がこんな自由で大胆でいいんだ!と目を覚めさせられた。香取さんファンはもちろん、絵画の展覧会に初めて足を運んだ人も、老若男女誰もが楽しめる、さすが頂点を極めたエンターテイナーが繰り出す一流のショーともいえる空間・時間だった。

 それから3年たった今回の個展。ものすごく楽しみにしていて、早速、初日に行ってきた。ひと言で表現すれば、「心が笑顔になれる」そんな会場で感じたことをお伝えしたいと思う。

 開催に際しての会見で香取さんは、絵が大好きでたまらない少年のような率直な思いを語っていた。

「ほんとに嬉しくて。絵を描くことが好きで、子供の時からずっと絵を描いてきて。僕が絵を描いているのは、人に見てもらいたくて、いいね、素敵だね、って言ってもらいたくて描いている部分があるので。また個展をやりたいなって思いで3年間ほかの仕事を頑張ってきました」

 その気持ちすごくわかる!と激しく同感してしまった。香取さんに私ごときが同感するなんておこがましいのだけど、また同時に、香取さんのような方が駆け出しのアーティストと同じような感覚を持てているなんて。どうしたらその純粋で新鮮な気持ちを持ち続けられるのだろう、とまずそこから感銘を受けてしまう。

『WHO AM I-SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-』~2023年1月22日 会場・渋谷ヒカリエ9階 ヒカリエホール ホールA 東京の後は大阪、福岡、石川、福島など全国を巡回。「全国をまわるのも夢のようです。いろんな方に見てもらえるのがうれしい。巡回先に必ず行こうと思ってます」(香取)

『WHO AM I-SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-』~2023年1月22日 会場・渋谷ヒカリエ9階 ヒカリエホール ホールA 東京の後は大阪、福岡、石川、福島など全国を巡回。「全国をまわるのも夢のようです。いろんな方に見てもらえるのがうれしい。巡回先に必ず行こうと思ってます」(香取)

 会場に入ると、二通りの動線が赤と青それぞれの矢印で示されていて、スムースに鑑賞できる。そしてなんといっても200点という圧倒的作品数。そのうち100点は初出展で、これ以上は会場に飾りきれなくて、展示していない作品もまだまだあるという。描きたいもの、表現したいものが溢れ出てくるような、どの作品からも活き活きした躍動感が伝わってくる。

 何年にもわたって描いてきたというが、エンターテイナーとして歌もダンスも、演技も、バラエティーや司会も・・・と多岐にわたる活動の中で、どうやって制作のための時間やエネルギーを捻出できるのだろう。どんなに忙しくてもアートと向きあう自分の時間が生きていくバランスをとるうえで必要、そんな迫力を感じる。やりたいことはたくさんあるけど時間がない、なんて言い訳をしてしまう自分が恥ずかしくなる。

関連記事

トピックス

送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
元・明石市長の泉房穂氏
財務官僚が描くシナリオで「政治家が夢を語れなくなっている」前・明石市長の泉房穂氏(62)が国政復帰して感じた“強烈な危機感”
NEWSポストセブン
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン