全車両に『おまえ、ケンカ売ってんのか』
車掌の様子。シャツが制服からはみ出している(提供)
事件当時、問題の電車に乗り合わせた乗客は「車掌の異変は発車してすぐに起きていた」と、恐怖の一部始終を振り返る。
「電車は20時34分に京成津田沼駅を出発しました。その時点で車掌が運転手と車内アナウンスのマイクでやりとりしていて、その会話が支離滅裂でした。隣の京成幕張本郷駅に着いた際はドアが開かない状態で、車掌は運転手に『鍵を持ってないから開けれねーから』と話していて、その後に鍵があったということで、ようやくドアが開いたと思ったら今度はドアを閉めない。
そんな異常な状態が、京成幕張駅、検見川駅、京成稲毛駅と西登戸駅まで続きました。途中で運転手に『おまえ、ケンカ売ってんのか』と叫ぶ車掌の言葉も飛び交っていました」
電車は西登戸駅に到着。車掌A氏はドアを開扉することなく車掌室に籠った。
「『ラーメン食べてかえろー』などとひとりごとを言い始め、状況を尋ねても駅員は『車掌は体調不良で動かせる状態じゃない』と答えるだけでした。車掌は車掌室で立って何かを食べているようだったので、意識はあったと思います。
津田沼駅からの代わりの車掌待ちで、後続の電車は詰まり、踏切は閉まったままで、乗客もかなり苛立っていました。その後、車掌は救急車で運ばれましたが、重大な事故に繋がりかねない危険な状況でした」(同前)