どんな車掌だったのか
京成電鉄の上野駅
取材を進めると、問題の車掌A氏は55歳で、勤続年数約30年以上のベテラン乗務員であることがわかった。しかし、同電鉄の関係者は「Aさんが事故を起こすのは時間の問題だった」と語る。
「電車発車の際、車掌は運転手にドアの閉扉完了の合図を送り、電車に乗り込んで側面の監視を行うのが適切な手順ですが、Aさんは運転手に合図を送ってから動き出してから電車の車掌室に乗り込む。体の半身を出して監視するという非常に危険な行為を続けていました。普段からひとりごとが多い、というのは関係者のあいだでも有名です。
今回の事故の社内調査ではAさんの所持品から大量の薬を服用した空き殻も見つかったそうです。社内では『車掌が服用した薬の副作用が原因で体調不良になった可能性がある』と説明されていて、薬を服用している者は必ず報告するようにとあらためて周知されています」(京成電鉄関係者)
さらにこんな証言も。
「実は9か月前にも事故を起こしているんです。今年3月4日に深夜23時58分ごろに乗客を乗せて京成上野駅1番線に到着したときに、ホームの反対側のドアを開け、駅係員に指摘されてドア誤開扉に気づくという運転トラブルがありました。社内では再び事故を起こす要注意人物という認識でした。なぜ、会社が車掌業務を続けさせていたのかはわかりません」(同前)