スポーツ

日経新春杯は実績馬より上がり馬 人気馬ヴェルトライゼンデより狙いたい馬は

9、10月に強い騎手を検証(イメージ)

レースによって予想のアプローチは異なる(イメージ)

 レースによって傾向はある。馬柱の比較だけではない要素も馬券検討では重要だ。競馬ライターの東田和美氏が考察した。

 * * *
 中京競馬場の2200mで行なわれるようになって3年目。かつては有馬記念で上位に来た馬が、年が替わって最初に出走するような格の高いGⅡのハンデ戦だったが、2011年のローズキングダム以降GⅠ馬の出走はなく、ここ10年では連対馬もわずか2頭だけ。3着以内の実績があるのも4頭だけだ。翌週に中山競馬場の同じ距離で行なわれるアメリカジョッキークラブカップにくらべても、勝敗はともかく出走馬の実績はかなり控えめだ。やはりこの時期の重賞は、格ではなくさらに高みを目指す馬の試金石。トップハンデ馬も未勝利だ。

 過去10年で明け4歳馬は29頭出走して8勝2着3回。2018年は4歳馬の出走がなかったので、勝てなかったのは1回だけ。このレースで手ごたえを掴んでGⅠ馬に上り詰めたシュヴァルグラン、ミッキーロケット、グローリーヴェイズも、この時点ではまだオープンに上がりたての4歳馬だった。

 3着までに入った馬30頭を見ても重賞勝ちがあるのは5頭だけ。実に12頭までが前走条件戦。3勝クラスを勝ち切れなかったり2勝クラスだったりする馬もいる。

 2014年の勝ち馬サトノノブレスが翌年(13着)、翌々年(3着)も出たように、いわゆる“リピーター”も目立つが、馬券に絡んだのはこの馬と2014年3着→2015年2着のフーラブライドだけ。7歳以上馬が馬券圏内に入ったことはない。今年もアフリカンゴールドが4回目、サンレイポケット、モズナガレボシが2回目の出走になるが、このレースに限ってはその経験が生きるというデータはない。

 ホープフルステークス2着、前走ジャパンカップ3着と久々の“GⅠ連対馬”ヴェルトライゼンデにとってこの舞台はいかにも役不足ではないか。トップハンデ59キロは厳しそうで押さえまで。

 6歳馬なら伊藤工騎手が完全に手の内に入れているロバートソンキーの方がキャラ的にこのレース向き。距離的にもちょうどよさそうだ。

 しかし軸はやはり伸びしろのある4歳馬。なかでも勝ち馬から離されたとはいえ菊花賞で最後しぶとく足を延ばしてきたヤマニンゼスト。開幕ダッシュに成功した武豊騎手は父シンボリクリスエス、母の父ディープインパクトだけでなく、母ヤマニンバステド、母の母マダニナにも騎乗しており、まさに「SDGsな感じ」の血統。「ヤマニン」ブランドの復活に期待したい。

 プラダリアは青葉賞勝ちでダービー5着という4歳馬。このレースで結果を伸ばせば、GⅠ戦線でも活躍しそう。2016年のレーヴミストラルが似たような戦績で勝っているし、なによりディープインパクト産駒だ。

 5歳馬イクスプロージョンはここ2回の着順が不本意だが、前走中日新聞杯は勝ち馬からコンマ2秒差。昨年中京競馬場で2勝しているというのが不気味だ。

 年の初めのGⅡだけに、新たなスター候補生の誕生に期待したい。

●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。

関連記事

トピックス

「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年12月3日、撮影/JMPA)
《曾祖父母へご報告》グレーのロングドレスで参拝された愛子さま クローバーリーフカラー&Aラインシルエットのジャケットでフェミニンさも
NEWSポストセブン
指示役として逮捕された村上迦楼羅容疑者
「腹を蹴れ」「指を折れ」闇バイト主犯格逮捕で明るみに…首都圏18連続強盗事件の“恐怖の犯行実態”〈一回で儲かる仕事 あります〉TikTokフォロワー5万人の“20代主犯格”も
NEWSポストセブン
3年ぶりに『紅白』に出場するKing & Prince
《ボーイズグループ群雄割拠時代が到来》キーワードは「オーディション」と「自由」 メンバー個人での活躍の場も拡大、“脱退組”にも注目
女性セブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《スクープ》“連立のキーマン”維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官が「秘書給与ピンハネ」で税金800万円還流疑惑、元秘書が証言
NEWSポストセブン
2018年、女優・木南晴夏と結婚した玉木宏
《ムキムキの腕で支える子育て》第2子誕生の玉木宏、妻・木南晴夏との休日で見せていた「全力パパ」の顔 ママチャリは自らチョイス
NEWSポストセブン
大分県選出衆院議員・岩屋毅前外相(68)
《土葬墓地建設問題》「外国人の排斥運動ではない」前外相・岩屋毅氏が明かす”政府への要望書”が出された背景、地元では「共生していかねば」vs.「土葬はとにかく嫌」で論争
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
清水運転員(21)
「女性特有のギクシャクがない」「肌が綺麗になった」“男社会”に飛び込んだ21歳女性ドライバーが語る大型トラックが「最高の職場」な理由
NEWSポストセブン
高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン