フォームを改造したことで、輝きを失ってしまった代表例が藤浪晋太郎(アスレチックス)だ。高卒1年目から3年連続2ケタ勝利とエースへの階段を順調に上がっていたが、クロスステップの修正に踏み切ると投球フォームが迷走。制球難がひどくなり、直球も本来の威力が消えてしまった。藤浪は落差の大きいスプリットを多用することで昨年の後半に復調したが、試行錯誤に多くの時間を費やした。
あるプロ野球OBも「他球団の選手と一緒に自主トレをすることで得られる部分があると思うが、自分とその選手の体の使い方の違い、技術を把握した上で取り組まないとプラスにならないケースがある」と危惧を口にする。
球団の垣根を超えて、オフに自主トレするのが日常の光景となったが、名選手とトレーニングをした将来有望な若手が、必ずしも素質を開花させるとは限らない。向上心が強い高橋宏はさらなる進化を求め、山本由伸を彷彿とさせるフォームの改造に踏み切った。2年連続「投手5冠」に輝き、すべての球種が超一級品の山本に憧れる気持ちは理解できる。フォーム改造も考えた末の決断なのだろう。首脳陣からの「ストップ」に対し、どのような決断を下すだろうか。
昨季大飛躍した高橋宏斗だが、中10日前後での起用だった(時事通信フォト)
立浪監督とはウマが合わず移籍した京田(時事通信フォト)
平田も自由契約に(時事通信フォト)