渡辺明棋王と同世代だった(共同通信フォト)
橋本容疑者は子供に会えない苦しみを西牟田氏に語っていたという。離婚後、子供に会えない父親の苦悩はいかほどなのか。西牟田氏が続ける。
「まず言っておきたいのは、元妻にSNS上で暴言を吐くなど、彼がやったことに対しては同情の余地すらありません。
橋本容疑者含め取材した親は皆さんそうでしたが、子供というのは自分の分身のような存在で、かけがえのないものと感じています。それが母親に連れられて突如目の前からいなくなってしまうと、人格を破壊されるほどのダメージを負う人も少なくありません。人格破壊から、子供を取り戻そうと攻撃的になる人もいれば、絶望して自ら命を絶ってしまう人もいます。橋本容疑者の場合は前者で、攻撃的になった例と言えるでしょう。
しかし、誤解してほしくないのは、子供に会えない親がみんな暴力的だったり、自暴自棄になってしまうわけではありません。試行的面会交流などを経て精神が安定し、子供との関係が続いている人もいます。当初、橋本容疑者は少なくとも表向きは極端な感じはなかったのですが、その後のSNSの発言などを見ると、支えてくれる存在がないなど精神が安定せず、徐々に言動が過激化していったのでしょう」
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