国内

犬・猫の殺処分、保護団体が引き取りに尽力し激減 約30年で年間100万頭から2万頭に

病気のある子や高齢犬は、若い犬や猫の譲渡が難しい60才以上の希望者に引き取られるケースも

病気のある子や高齢犬は、若い犬や猫の譲渡が難しい60才以上の希望者に引き取られるケースも

 東京・築地のとあるビルで、保護犬・保護猫の譲渡会が開催されると知り、1月のある日曜日、記者は会場を訪れた。

 朝日新聞のペット情報サイト「Sippo」が主催する「いぬねこサミット」という譲渡会で、参加は無料だが予約制。コロナ禍もあってか、30分入れ替え制で、記者は1週間前に予約したが、直後に満員になるほどの人気ぶりだ。

 午前11時前、予定より少し早く会場に着いたが、入り口にはすでに人だかりができていた。猫が14匹、1匹ずつケージに入れられて机の上に並べられていた。犬は7匹、来場者と触れ合えるようケージの外に出されていた。

 参加者は、家族連れから年配の夫婦までさまざま。ある50代の夫婦がスタッフに、

「実は保護犬・保護猫というのを知らなかったんですよ。ペットは店で買うものだと思っていたから。“譲渡会”も初めて知りまして、どういうものか見に来たんです」

 と話していた。譲渡会を運営する神奈川県の保護団体「おーあみ避難所」の代表・大網直子さんは、

「譲渡会は、保護犬・保護猫と未来の家族が出会える場所。これまで開催してきて成果がゼロだったことはありません。ですが、認知度がまだ低いのが現状です」

 と話してくれた。それでも最近は開催すればすぐに満員になるなど、徐々に浸透してきている。コロナ禍で緊急事態宣言が発出された頃もオンラインで譲渡会を行うなど、地道に活動を続けてきたというから、その成果が少しずつ表れてきているようだ。

 保護猫が入れられたケージの上には、写真とともに年齢・性別・色や模様・病歴・性格などが記載されたプロフィールがつけられていた。当の猫たちは緊張しているのか、一様にペットベッドの下に潜り込んでなかなか顔を見せない。5〜10才の猫もいたが、1才未満で病歴のない健康な子猫が多かった。

 一方、犬たちは直接触れ合えるため、人だかりができていて賑やかな雰囲気だ。

 生後4か月の雑種の子犬や3才のミニチュアダックスフンド、12才のトイプードルも元気に愛想を振りまく。白内障で視力がないというシニア犬もいた。おとなしくて人懐こく、記者にもすり寄ってきてくれて、心をつかまれた。

 譲渡会では、犬や猫を直接見て触れて相性を確かめられる。スタッフから、性格や病気、飼う上での注意点などが直接聞けるのもありがたい。

 保護犬・保護猫と出会える場所には、動物愛護センターもあるが、譲渡会の方が情報量が多く、保護犬・保護猫を初めて飼う人の“入り口”として気軽に活用できると、来場して実感した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン