PMDAが公表した厚労省による主な医薬品の添付文書の「使用上の注意の改訂指示(重大な副作用の追記)」【その1】
風邪薬は長期の連続服用を避ける
最新の改訂指示から遡り、過去2年で追加された「重大な副作用」を下の表にまとめた。追加があると公表された薬(販売名)は、のべ103に及ぶ。常用する薬が含まれていないか、念のため確認したい。
過去、アセトアミノフェンの〈薬剤性過敏症症候群〉の副作用症例は配合薬を含めて48例、うち死亡が3例とされる。なぜ今、新たな副作用として追加されたのか。
薬剤師の長澤育弘氏(銀座薬局代表)が言う。
「このタイミングで副作用が追加されたのはコロナ感染やワクチンの副反応によって服用者が増えたことが原因でしょう。カロナールは比較的安全性が高いとして推奨されていましたからね。またカロナールに限らず、風邪薬などでアセトアミノフェン配合の薬を継続使用していた時期があれば、時間が経ってから症状が出る可能性があります。長期の連続服用は避けたほうがいい」
ロキソニン、抗生物質、降圧剤も追加
注意しなければいけないのはアセトアミノフェンだけではない。コロナ禍の解熱鎮痛薬として同じく重宝されているロキソニン(ロキソプロフェン)も、昨年10月に新たに「重大な副作用」が追加されているのだ。
ロキソニンに追加された副作用は〈急性汎発性発疹性膿疱症〉。38度以上の発熱と全身に赤い発疹が出る症状だ。
「薬疹のなかでも重症度が高く、アレルギー反応が起こったところが赤くなって膿み、ただれてきます。症状が出たら、すぐに服用をやめる必要があります」(谷本医師)
この数年で、ほかにも降圧剤や抗生物質など頻繁に使われる薬に新たな副作用が加わった。
「降圧剤のヒドロクロロチアジドなどに追加された『急性呼吸窮迫症候群』は本来、重症肺炎や敗血症などが原因で重度の呼吸不全が起こる症状です。抗生物質のサワシリンカプセルなどに追加された『アレルギー反応に伴う急性冠症候群』は心臓の血管が詰まる症状。いずれも国内症例はなく、海外で因果関係が否定できないケースが報告されたことを受けての追加でしょう」(長澤氏)