国内

元2世信者・小川さゆりさんが告白 「バイト先にお金を取りにきた母親」と脱会を決意した言葉

脱会したきかっけや両親などへの思いも明かす

脱会したきかっけや両親などへの思いも明かす

 旧統一教会信者である両親から止められ、教団から妨害されても屈せず、顔を出して宗教2世としての被害を訴え続けてきた小川さゆりさん。そんな彼女が自らの半生を綴った手記『小川さゆり、宗教2世』が、来月刊行される。教会や両親への赤裸々な思いを綴った覚悟の手記の内容について独占告白──。【第3回。第1回から読む

 * * *
 私は高校生の頃から19歳頃まで、アルバイト代を預けるという名目で母にほとんどのお金を渡していました。

 あるときには私がアルバイトしていた介護施設まで、母がお金を取りに来たことがありました。その日は給料日で、手渡しでもらった給料袋を自分の白いロッカーにしまっていました。

 施設のデイサービスで高齢の利用者さんのお世話をしていたところ、施設のインターホンが鳴りました。当時一緒に勤務していた女性職員から「お母さん来てるよ」と教えてもらい、玄関へ行くと、深刻そうな顔をした母が立っていました。

「さゆりちゃんごめん、お兄ちゃんたちの大学のお金もあって今月本当に厳しくて、絶対に返すからお給料もらえないかな」

 私は自分のためにお金を貯めたいし、嫌だから帰ってくれと頼みましたが、母は「お願い」と言って渡すまで帰ろうとしませんでした。その月の給料のほぼすべて、15万円ほど渡しました。

 そうしたこともあって、教会での出来事で精神状態が不安定になり、高校卒業後は仕事もうまく続かず引きこもりがちになってしまっていました。

 そんなとき、きょうだいが私の部屋に入ってきて言いました。

「お母さん言ってたよ。あの子家にお金も入れないし、いつになったら働くんだろうって」

 この言葉に私は大きなショックを受けました。結局、家に入れるお金のことばかりなのかと感じてしまったのです。

 統一教会を脱会したのには様々なきっかけがありましたが、この母の言葉が一番大きかったように感じます。

「お母さんは私のことをお金のあてにしか思っていないんだ」

 そう感じ、脱会を決意しました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(右・時事通信フォト)
「言いふらしている方は1人、見当がついています」田久保真紀氏が語った証書問題「チラ見せとは思わない」 再選挙にも意欲《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
13日目に会場を訪れた大村さん
名古屋場所の溜席に93歳、大村崑さんが再び 大の里の苦戦に「気の毒なのは懸賞金の数」と目の前の光景を語る 土俵下まで突き飛ばされた新横綱がすぐ側に迫る一幕も
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(共同通信/HPより)
《伊東市・田久保市長が独占告白1時間》「金庫で厳重保管。記録も写メもない」「ただのゴシップネタ」本人が語る“卒業証書”提出拒否の理由
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏(共同通信)
《“保守サーの姫”は既婚者だった》参政党・さや氏、好きな男性のタイプは「便利な人」…結婚相手は自身をプロデュースした大物音楽家
NEWSポストセブン
松嶋菜々子と反町隆史
《“夫婦仲がいい”と周囲にのろける》松嶋菜々子と反町隆史、化粧品が売れに売れてCM再共演「円満の秘訣は距離感」 結婚24年で起きた変化
NEWSポストセブン
注目度が上昇中のTBS・山形純菜アナ(インスタグラムより)
《注目度急上昇中》“ミス実践グランプリ”TBS山形純菜アナ、過度なリアクションや“顔芸”はなし、それでも局内外で抜群の評価受ける理由 和田アキ子も“やまがっちゃん”と信頼
NEWSポストセブン
中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
かりゆしウェアのリンクコーデをされる天皇ご一家(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《売れ筋ランキングで1位&2位に》天皇ご一家、那須ご静養でかりゆしウェアのリンクコーデ 雅子さまはテッポウユリ柄の9900円シャツで上品な装いに 
NEWSポストセブン