国内

元2世信者・小川さゆりさんが回想「3人の妹が養子に…」2番目の妹との再会と改めて考える「子どもの人権」

脱会したきかっけや両親などへの思いも明かす

3人の妹が養子に出されていた

 信者間で養子縁組が繰り返されていた旧統一教会(世界平和統一家庭連合)。厚生労働省はこれに関する刑事告発を検討しているが、いまだ事態は進展していない。元2世信者である小川さゆりさんは「子どもの人権が守られていない」と訴え、3人の妹が養子に出されていた実態を近日刊行の手記『小川さゆり、宗教2世』(小社刊)で明かした。【第5回。第1回から読む】

 * * *

2番目の妹との再会

 養子縁組された妹たちの消息は、私にはほとんどわかっていません。ひとりは200キロ離れた場所、もうひとりは800キロも離れた家族のもとで暮らしていると聞きました。

 2番目の妹には一度だけ会ったことがあります。それは私が20歳のときのことでした。彼女が暮らす県に、私が車の免許を合宿で取りに行くことになりました。両親が「それなら妹がいるから会ったほうがいい」と言うので、妹とその養父母とファミリーレストランで会いました。

 彼女は中学生になっていて、養父さんに「もー、違うよ」と年頃の女の子らしく照れて笑うその姿から、普段から親子仲のいいことがよく伝わってきました。

 ちょっとシャイで控えめだけど、優しくて素直な感じのする女の子で、ひとりっ子として大切に愛されて育ったんだろうな、と私は思いました。

 統一教会を脱会した私がメディアに出て、2世信者の問題を社会に訴えかけているのを見て、彼女はどんな思いを抱いているだろう、と最近は思っています。

 両親と仲が良いと話していた彼女は、統一教会の熱心な信者になっていて、いまの私を見て複雑な思いを抱えているのかもしれません。私は脱会した後、統一教会の信者ではない夫と結婚し、昨年4月に男の子を出産しました。

 わが子が生まれた瞬間、こんなにかわいいんだなと泣きました。脱会について悩み遺書を書いたこともありましたが、生きてきてよかったと思いました。目がぱんぱんに腫れた、生まれたときの子どもの顔がいまも忘れられません。私が子どもを産んだとき、看護師さんからこう教えてもらいました。

「こちらが赤ちゃんのことを愛してるように見えるんですけど、でも実は赤ちゃんが無条件でお母さんを愛してるんですよ」

関連キーワード

関連記事

トピックス

雅子さま、フレッシュグリーンのお召し物で全国植樹祭にご出席 未来を担う“幼苗”と緑風の笑顔
雅子さま、フレッシュグリーンのお召し物で全国植樹祭にご出席 未来を担う“幼苗”と緑風の笑顔
女性セブン
「マッコリお兄さん」というあだ名だった瀬川容疑者
《川口・タクシー運転手銃撃》68歳容疑者のあだ名は「マッコリお兄さん」韓国パブで“豪遊”も恐れられていた「凶暴な性格」
NEWSポストセブン
『EXPO 2025 大阪・関西万博』のプロデューサーも務める小橋賢児さん
《人気絶頂で姿を消した俳優・小橋賢児の現在》「すべてが嘘のように感じて」“新聞配達”“彼女からの三行半”引きこもり生活でわかったこと
NEWSポストセブン
NEWS7から姿を消した川崎アナ
《局内結婚報道も》NHK“エース候補”女子アナが「ニュース7」から姿を消した真相「社内トラブルで心が折れた」夫婦揃って“番組降板”の理由
NEWSポストセブン
奥田瑛二
映画『かくしごと』で認知症の老人を演じた奥田瑛二、俳優としての覚悟を語る「羞恥心、プライドはゼロ。ただ自尊心だけは持っている」
女性セブン
菅原一秀(首相官邸公式サイトより)と岡安弥生(セント・フォース公式サイトより)
《室井佑月はタワマンから家賃5万円ボロビルに》「政治家の妻になると仕事が激減する」で菅原一秀前議員と結婚した岡安弥生アナはどうなる?
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【厳戒態勢】「組長がついた餅を我先に口に」「樽酒は愛知の有名蔵元」六代目山口組機関紙でわかった「ハイブランド餅つき」の全容
NEWSポストセブン
今シーズンから4人体制に
《ロコ・ソラーレの功労者メンバーが電撃脱退》五輪メダル獲得に貢献のカーリング娘がチームを去った背景
NEWSポストセブン
真美子夫人とデコピンが観戦するためか
大谷翔平、巨額契約に盛り込まれた「ドジャースタジアムのスイートルーム1室確保」の条件、真美子夫人とデコピンが観戦するためか
女性セブン
「滝沢歌舞伎」でも9人での海外公演は叶わなかった
Snow Man、弾丸日程で“バルセロナ極秘集結”舞台裏 9人の強い直談判に応えてスケジュール調整、「新しい自分たちを見せたい」という決意
女性セブン
亡くなったシャニさん(本人のSNSより)
《黒ずんだネックレスが…》ハマスに連れ去られた22歳女性、両親のもとに戻ってきた「遺品」が発する“無言のメッセージ”
NEWSポストセブン
主犯の十枝内容疑者(左)共犯の市ノ渡容疑者(SNSより)
【青森密閉殺人】「いつも泣いている」被害者呼び出し役の女性共犯者は昼夜問わず子供4人のために働くシングルマザー「主犯と愛人関係ではありません」友人が明かす涙と後悔の日々
NEWSポストセブン