スポーツ

朝乃山、グッズ売り切れ続出で「番付ガタガタ時代の救世主」に 横綱・大関候補が“残念状態”の中で期待の声

関係者の期待を一身に集める朝乃山(時事通信フォト)

関係者の期待を一身に集める朝乃山(時事通信フォト)

 横綱・照ノ富士は全休で、綱取りに挑んだ大関・貴景勝も7日目から休場──大相撲3月場所は、まさに“主役なき戦国時代”の土俵となった。関脇陣も序盤から黒星を重ね、平幕の翠富士や高安が序盤の場所を引っ張る展開となった。7場所連続関脇を守った若隆景はケガで14日目から休場し、大関昇進は白紙に戻った。優勝ラインが下がり、12勝3敗で初優勝した関脇の霧馬山、優勝決定戦まで持ち込んだ小結の大栄翔が来場所での大関取りへの可能性を残したが、安定した力のある頭ひとつ抜け出た次なる“大関候補”が見当たらない状況だ。そうしたなかで、「関係者の期待を一身に集める存在となっている」(担当記者)のが、東十両筆頭の地位で3月場所を迎えた大関経験者・朝乃山だという。

 相撲協会の新型コロナウイルス対策ガイドライン違反によって6場所連続出場停止処分が下された後、昨年の7月場所に三段目で復帰の土俵を踏んでからは順調に番付を上げてきた朝乃山。3月場所も9日目にして早々に勝ち越しを決め、5月場所での幕内復帰を決めた。3月場所の会場でも「来場客からの人気は抜群だった」(同前)という。

「とくに今場所は注目力士が十両に複数いるという異例の状況だった。大関経験者であり幕内優勝経験がある力士が朝乃山と栃ノ心。他に逸ノ城、徳勝龍も幕内優勝経験者です。史上初となる幕下15枚目格付け出しデビューから1場所での十両昇進を決めた“令和の怪物”こと落合もいる。幕内より十両の取組のほうが、声援が大きいと感じられたほど。

 そのなかでも、朝乃山の人気は頭ひとつ抜けていた。期待が大きくなるのは、押し相撲にも対応できるうえに、右四つからの寄りを得意としているからでしょう。いまの幕内上位の力士は、貴景勝をはじめ、御嶽海、阿炎、大栄翔、玉鷲、阿武咲など押し相撲の力士ばかり。ハマれば強い相撲になるが、安定した成績が残せない。まだ若い琴ノ若を大関候補として期待する関係者が多いのも、押し相撲だけじゃなく右四つでも相撲が取れるから。実績と取り口から、朝乃山の復活が望まれているというわけです」(同前)

 会場となったエディオンアリーナ大阪の館内にある相撲協会の公式グッズ売店では、食品や雑貨、アクセサリーなど50種類以上の商品が並び、多くのファンが手に取るのが力士の四股名などが入ったグッズだ。そうしたグッズの売れ行きを見ても、「朝乃山の復活」を望んでいるファンが多いことがよくわかる。協会関係者はこう言う。

「定番の力士タオルは全19種類で、照ノ富士や貴景勝、若隆景、御嶽海など上位陣はほとんど揃っているが、新発売として十両の朝乃山のタオルも置かれていました。土俵そっちのけで相撲グッズを買い求めるファンは複数の力士のタオルを手にしていることが多いが、多くの人の手には朝乃山のタオルが握られていた。

 相撲協会も朝乃山への期待が大きいのか、朝乃山だけスペースを倍くらい取り、見本として広げたタオルが目立つ場所に掲げられていた。そうしたなか、朝乃山のタオルは幕内上位陣を差し置いて中日には真っ先に売り切れたのです。他の朝乃山グッズも売れまくりで、場所終盤には力士うちわくらいしか残っていませんでした」

関連キーワード

関連記事

トピックス

5月8日、報道を受けて、取材に応じる日本維新の会の中条きよし参議院議員(時事通信フォト)
「高利貸し」疑惑に反論の中条きよし議員 「金利60%で1000万円」契約書が物語る“義理人情”とは思えない貸し付けの実態
NEWSポストセブン
殺害された宝島さん夫婦の長女内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)
【むかつくっすよ】那須2遺体の首謀者・関根誠端容疑者 近隣ともトラブル「殴っておけば…」 長女内縁の夫が被害夫婦に近づいた理由
NEWSポストセブン
曙と真剣交際していたが婚約破棄になった相原勇
《曙さん訃報後ブログ更新が途絶えて》元婚約者・相原勇、沈黙の背景に「わたしの人生を生きる」7年前の“電撃和解”
NEWSポストセブン
なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
令和6年度 各種団体の主な要望と回答【要約版】
【自民党・内部報告書入手】業界に補助金バラ撒き、税制優遇のオンパレード 「国民から召し上げたカネを業界に配っている」と荻原博子氏
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン